「
紫苑S・G3」(10日、中山)
最後は地力でねじ伏せた。樫の2着馬
スタニングローズが、1番人気に応えてV発進。フラワーC以来となる重賞2勝目を飾るとともに、ラスト1冠に向けて弾みをつけた。「ホッとしたというのが一番です」。4年連続、通算9勝目のJRA重賞勝利を飾った坂井が満足げに汗を拭った。
道中は今まで通りの先行策から、外めを回って進出。直線では逃げ粘る
サウンドビバーチェとの激しいたたき合いを制した。「もっと楽にかわせるかと思ったんですけど。そこは休み明けの分、モタモタしたところもあります。次はもっと良くなる」。次戦への手応えをつかむ会心の勝利だった。
同馬の生産牧場であるノーザン
ファーム出身の高野師にとって、この勝利は格別の味だったという。「
バレークイーンと
ローザネイはノーザンの二枚看板(の名牝)。その直系で重賞を勝たせてもらい、前哨戦でもうれしい」。4代
母ローザネイからつながる“華麗なる薔薇一族”での重賞制覇に喜びを爆発させていた。
これで胸を張って
秋華賞(10月16日・阪神)に向かえる。「次も(坂井)瑠星君で行きます」とトレーナーから手綱を任せられた25歳は、「自分は乗っていなかったけど、春のG1で惜しいところまでいった馬。僕も
スタニングローズと一緒にG1を勝ちたい」と意気込んだ。人馬ともに初制覇が懸かる大一番。本番でも目が離せないコンビとなった。
提供:デイリースポーツ