「
凱旋門賞・仏G1」(10月2日、パリロンシャン)
悲願の
凱旋門賞制覇へ、22年のダービー馬
ドウデュース(牡3歳、栗東・友道)とのコンビで挑む
武豊騎手(53)=栗東・フリー=が巻き返しを誓った。11日に行われた前哨戦のニエル賞で4着に敗れたものの、「この結果に失望する必要はないと思います」と前を向いた。本番と同じコースで馬場を経験できたのはプラス材料。数々の苦難を乗り越えてきた日本競馬界のレジェンドが、10度目の挑戦となる大舞台で鮮やかなリベンジを果たす。
まさかの光景だった。世界デビュー戦となった第89代ダービー馬
ドウデュースは、直線で伸び切れずに4着に敗れた。好スタートを決めて、道中は最後方でじっくり待機。馬なりで直線に向き、手応え十分に大外に持ち出したものの、
武豊の左ステッキに反応できなかった。最後は上位3頭に離されて入線。7戦目にして初めて3着以内を外すショッキングな敗戦だった。
3歳馬同士で行われた
凱旋門賞の前哨戦。ダービー制覇以来となる久々の実戦であり、現地時間2日にフランスに到着したばかり。国内できっちり乗り込んだとはいえ、本番を見据えた仕上げ。さらに重馬場発表のタフなコンディションで、日本ではなかなか経験のできないスローペースと条件も厳しかった。ただ、本来の鋭い伸びが見られなかったのは心配材料。本当の勝負は先ではあるが、厳しい現実が突きつけられた格好だ。
レースを終えた
武豊は「本番に向けて追い切りを兼ねたスクーリングという意味合いもあったので、まだ全力を出せる状態ではなかったように思います。最後は脚が上がってしまいました」と敗因を状態面にあると分析。決して満足のいく内容ではなかったが、「逆算して調整しているので、これから状態は上がってくるでしょう。きょうの結果に失望することはないと思います」と、実戦を使われたことでの変わり身を強調した。友道師も「勝つことはできませんでしたが、本番に向けてパリロンシャンの馬場を経験できたことは良かったと思います。次、頑張ります」と反撃を誓った。
帯同馬の
マイラプソディとともに遠征し、万全を期して本番と同じコース&距離を選んで挑んだ一戦。よもやの敗北を喫してしまったが、日本調教馬の史上初Vへ、自身10度目の挑戦となる名手は本番でのリベンジへ闘志満々。海外2戦目となる3週間後の大一番では、状態面での上積みにも期待できるはず。日本競馬界の悲願達成に向け、下を向いているわけにはいかない。
提供:デイリースポーツ