JRA札幌開催が幕を閉じ、北海道の空気は一段と秋めいてきた。
門別競馬場も、早朝の調教時間帯は日を追うごとに冷え込みを増している。私もその時間に合わせて取材をしているが、今の時期は特に日中との寒暖差が大きいため、服装が難しい。薄着を選んで後悔する日には、厩舎を気ままに渡り歩く
モフモフのネコたちに羨望の一瞥をくれることになる。
季節の移ろいは、とりもなおさず、シーズンフィナーレの足音が近づいていることを意味している。
旭岳賞は、11月の大一番、
道営記念と同じ外回り2000mで行われるその重要な前哨戦である。王者不在の混沌とした戦況は春から変わらないが、ここに来てメンバーはかなり揃った印象だ。
その中でも、南関東から再転入後2連勝中の
サンビュートが中心的存在だろう。昨年は
JRAから転入しての2連勝でこの重賞に臨み、
クインズサターンとアタマ差の勝負を演じた。今年は勝って更に勢いをつけ、その王者も出てくるであろう
道営記念でリベンジといきたいところである。
リーディングトップの
田中淳司厩舎からは3頭が参戦する。
フローリンは転入初戦で
赤レンガ記念を制し、
JRAオープン馬の地力を示した。その前走がスローペースを好位から抜け出すスムーズな競馬だっただけに、もつれる展開での立ち回りが鍵になる。
ルールソヴァールは
赤レンガ記念で4着だったが、先行勢優位の展開でやや脚を余した格好。流れ次第で逆転も可能だ。4月の
コスモバルク記念を勝った
テーオーフォースは、それ以来の実戦というブランクがポイントだろう。
前走で復活Vを挙げた
リンノレジェンドも含めた実績馬たちの中で、唯一、今季まだ一度も完全燃焼の競馬ができていないのが
チャイヤプーンだ。今季初戦はやや体が重く、ここ2戦は折り合いの難しさを露呈して、勝機を逃している。ラ
イバルたちとの力関係をはっきりさせておくためにも、今回にかける思いは一入のはず。巻き返しに注目したい。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
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