デビュー20年目の
石橋脩騎手は、
JRA通算800勝の大台まであと3勝に迫っています。自分の意図と違うような形で話が伝わるのを嫌ってか、普段は決して自分のことを話したがらないジョッキー。
それでも20年目&通算800勝に迫る節目の時期に、これまでのことをぜひ振り返ってもらいたい…。そんな気持ちから先週、思い切って「これまでで印象に残っている馬は? 」と聞くと「しっかり考えてから話したい」といかにも真面目な石橋騎手らしい返答が。
2012年の
天皇賞・春を勝った
ビートブラックかな? それとも17年阪神JFの
ラッキーライラック? 週をまたいでこちらもいろいろと想像を膨らませていたところ、予想とはまったく違う答えが返ってきて…。「たくさんいてキリがない」と前置きしながらも、挙げた名前は
ジャガーメイル。03年にデビューした石橋騎手が5年目に出会った馬です。
「福島の500万のレース(07年10月)をうまくいかなかった中で勝てた。それまでは焦ることが多かったんだけど、強い馬はうまくいかなくても勝つし、焦る必要がないとわかって。いまだに“こうしなきゃ”と思っちゃうところはあるんだけど、余裕を持って乗れるようになる
キッカケを与えてくれた馬ですね」
これまでの騎手生活を「理想と現実がなかなかかみ合わなくて、うまくいかないことが多い。そんな中で日々自分のできる準備を、できる範囲でやってきて、毎週競馬に臨んでいることが今につながっていると思う」と振り返る石橋騎手は、
メモリアルVもかかる3日間競馬の最終日、
ボーンディスウェイで
セントライト記念(19日=中山芝外2200メートル)に挑みます。
「前走は外を回らされてしまって…。外に来る馬をうまくかわすことができなかった。すごく期待している馬で夏を越してどう成長しているか。走ってほしい」と前走の
ラジオNIKKEI賞1番人気6着からの巻き返しを狙っています。
ボーンディスウェイを管理する牧調教師とはトレーナーが助手の時代から知り合いだったそう。「牧先生は自分にすごく任せてくれる。そういう気持ちに応えたい」と力強く話してくれました。節目Vはもちろん、牧調教師との固い信頼で結ばれた強力タッグも見逃せません!
(美浦のニッコニコ女子・三嶋まりえ)
東京スポーツ