「
戸塚記念・S1」(15日、川崎)
牝馬クラシック2冠馬が秋初戦を完勝-。1番人気の
スピーディキックが、
東京ダービー馬カイルはじめ強力な牡馬勢を破って重賞6勝目。逃げた10番人気の
ショットメーカーが3馬身差の2着に粘り、8番人気の
デルマアズラエルが3着に食い込んだ。
スピーディキックは、これが秋初戦。今春の
桜花賞、
東京プリンセス賞を連勝して牝馬クラシック2冠を獲得し、
関東オークスもJRA勢を相手に3着と健闘。今回は3カ月の夏休みでリフレッシュして迎えた舞台だった。
その復帰戦で手綱を取ったのは、テン乗りの
山崎誠士だ。1周目は中団待機で脚をため、3コーナー手前から
ゴーサイン。最後の直線は独走状態に持ち込んだ。
鞍上にとってはケガを乗り越えたS1重賞制覇となった。「素晴らしい馬。操作性が良く、僕自身は復帰したばかりで不安もあったけど、馬が応えてくれました」と胸をなで下ろす。
山崎は8月2日の川崎1Rで騎乗馬が内ラチに激突、落馬して大ケガを負った。今月12日に復帰したが、その翌日の13日にも5Rで落馬して救急搬送。それでも14日には復帰し、この15日の殊勲。勝利騎手インタビューでは、そんな苦労を感じさせず、終始ニコニコと笑顔を見せた。
管理する
藤原智行師は人気に応える完勝劇に満足げ。「純粋に安心して見ていられました。夏の調整は模索しながらだったけど、間違ってませんでしたね」とホッとした表情。この勝利で次走予定の選択肢が増えた。「とりあえず
ロジータ記念(11月9日・川崎)ですが、JBC(11月3日・盛岡)も視野に入れたい」と大一番にチャレンジする可能性が出てきた。
提供:デイリースポーツ