今シーズンの門別開催も、残り2ヶ月を切った。前日に行われる
リリーカップが
エーデルワイス賞の前哨戦であるのと同じように、この
サンライズカップは、
JBC2歳優駿を目前に控えた、中距離路線最後の
ステップ重賞である。昨年の勝ち馬ナッジがJBCでも地方馬最先着の2着に好走したように、やはり本番と同距離で行われる点には価値がある。
昨年はこの路線の重賞をすべて別の馬が優勝するという、上位拮抗の様相だった。しかし今年は、
ベルピット・
オーマイグッネスの2頭が、
ブリーダーズゴールドジュニアC・サッポロクラシックCで連続ワンツーを決めているように、勢力図は比較的はっきりと描かれている。
その2頭ともを管理する角川厩舎は今回、サッポロクラシックC3着の
グロリオサに加え、新たに4本目の柱として、3戦無敗の
グラビティモデルまでも投入してきた。今年の同厩舎2歳馬は、例年に増して粒ぞろいである。
あまりにも堅牢なその牙城を、果たして崩せる馬はいるのだろうか。逆らうのはあまり得策でないように思うが、14頭立ての14番人気だった
栄冠賞で、見るもの誰もが驚くシンガリ一気を決めた
コルドゥアンの爆発力は、
レジスタンスの希望の光たり得るものだ。
もちろん、
栄冠賞は展開が
ドンピシャに嵌まったことは確かだが、逆にまったく展開が向かなかった
ブリーダーズゴールドジュニアCで
ベルピットと1秒差なら、射程圏内という計算が成り立つ。上位勢よりも距離延長がプラスに働くのは明らかで、城壁に風穴を開ける可能性はゼロではない。もし今回差し届かずとも、頭数が増えて激しい展開になるだろう本番で再度、狙ってみたい。
コスモス賞からの巻き返しを期す
タイガーチャージは、今回の有力馬のいずれとも未対戦。その点は魅力的であり、メンバー唯一、1800mで勝利経験があるというのも強調材料だ。いずれにせよ、角川厩舎4騎による盤石の布陣に、割って入れる存在がいるのかどうか、そこが予想の焦点だろう。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
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