一昨年まではシーズン最終週に設置されており、
エーデルワイス賞からここというローテーションも可能であったが、昨年から時期が早められ、この重賞は路線から少し外れて独立する形になった。今年に関して言えば、重賞実績のある馬の多くが2週後の
エーデルワイス賞に向かうため、8頭という落ち着いた頭数となっている。
ただ、今回上位と目される馬たちも、将来性は豊かな面々である。注目は3連勝中の2頭、
スギノプリンセスと
サルトアンヘルだろう。戦績だけでなく、
ダンカーク産駒という共通項があるのも興味深い。
ダンカークは2015年から日本での供用がスタートし、芝・ダート問わない
オールラウンドな産駒を輩出している。地味ながら、
地方競馬での
ファーストシーズンリーディングサイアーにもなっており、早期からの活躍ができるという点も特長と言えるだろう。現に、昨年の
JBC2歳優駿を優勝した
アイスジャイアントがそうである。今年の門別では、既に
アサクサロックが1000mのフルールCを勝っているように、距離適性の幅も広そうだ。古馬になってからの成長度も含め、今後の産駒にも注目していきたい。
話が脱線してしまったが、上記2頭では、1700mの経験値で前者が一歩リードしている。内回りでマイルではレコードでの勝利もあり、時計決着も歓迎だ。ワンターンの短距離戦しか経験がないとはいえ、後者も自在な立ち回りでの3連勝。初コースも大きなハンデにはならないだろう。甲乙つけがたい両者である。
いわゆる上がり馬的な2頭に対し、オープン・重賞での豊富なキャリアで対抗するのが
パワトゥザピープルである。素質馬の登竜門たる
栄冠賞にも出走し、フ
ローラルCでは、
エーデルワイス賞最有力の
スティールグレイスと0秒5差の3着に健闘した。今回のメンバーなら、主役を張れる実績である。
様相は上位3頭の三つ巴。割って入るとすれば、角川厩舎の
インプローヴィング、
コパノオレゴンあたりだろう。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
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