「
凱旋門賞・仏G1」(2日、パリロンシャン)
またも悲願は実らず-。過去最多となる4頭を送り出した日本勢だったが、最先着は
タイトルホルダーの11着。
ステイフーリッシュ14着、
ディープボンド18着、
ドウデュース19着と全頭なすすべなく2桁着順に終わった。勝ったのは英国の
アルピニスタ。2着に地元の
ヴァデニ、3着には前年の覇者で独国の
トルカータータッソが入った。
降りだした雨が視界をさえぎる中、日本のエースとして臨み、果敢に風を切った
タイトルホルダーが馬群に沈んでいく-。結果は11着。日本調教馬として初参戦した1969年の
スピードシンボリから53年。22年もまた、欧州の高い壁にはね返された。「やはり甘くないなというのが一番です」。初挑戦を終えた横山和は言葉を絞り出した。
好発から積極的にハナへ。道中はブルームに絡まれながらも折り合いをキープした。
フォルスストレート(偽りの直線)に入っても余力は十分だったが、最後の直線でいざ追いだすも伸びない。日本では比類なきスピードとスタミナで無敵を誇ったものの、降雨により輪を掛けて悪化したパリロンシャンの激重馬場には太刀打ちできず、勝ち馬にあっさり抜き去られた。
前日に行われた古馬マイル重賞のVタイムは、日本のそれより10秒遅い1分43秒71。スピードは深い芝にそがれ、クッションの利かない地面にスタミナを奪われた。「直線に向いた時は馬場を選ぶ手応えもあり、もしかしてと思ったんですが…」。日本馬最先着でも、頂ははるかに遠かった。
栗田師は「思い切った競馬をすることができました」と人馬をねぎらいつつ「やはり日本の重馬場とは違いましたね。別のタイプの馬とか、全く条件の違う馬を連れてくるとかしないといけないかも」と振り返った。歴史の扉をこじ開けることはできなかったが、下を向いている暇はない。また、新たな挑戦に向けて試行錯誤の日々が始まっていく。
提供:デイリースポーツ