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凱旋門賞・仏G1」(2日、パリロンシャン)
過去最多となる4頭を送り出した日本勢だったが、最先着は
タイトルホルダーの11着。全頭なすすべなく2桁着順に終わった。日本競馬の悲願達成のため、いったい何が足りなかったのか。現地で取材した競馬担当記者が考察した。
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最初の挑戦から半世紀以上も手が届かないタイトル。血統やローテ、斤量、調教施設の違いなど敗因を挙げればキリがないが、馬場適性の違いが最たるものであることに異論はないだろう。
パリロンシャン競馬場の馬場取材時に芝の上を歩いた際、明らかに日本では感じたことのない踏み心地だった。反発がなく、沈み込んでいく-。
シャルル・ド・
コルドン競馬場
マネージャーによると「自然の中にあるコースなので地層が違う」とのことで、芝質以上に土壌の問題が大きい。「馬場の下には排水用の暗きょ管も設置している」とも話していたが、地質の関係で排水効率が日本ほどではないのだろう。イスパーン賞(芝1850メートル)などの距離だとまだ日本馬にも耐えうるが、距離もペースも違う多頭数の2400メートルではさすがに苦しくなる。
地元出身のルメールはレース後に「勝つには
パワー、スタミナ、瞬発力の全部がいります」と条件を挙げ、「ダートを走れる馬の方が…」と付け加えた。栗田師も「違うタイプの馬を」と語っている。日本の軽い芝でG1を何個も勝てる馬は、逆に
凱旋門賞への適性は低いだろう。もし自分が1頭、
凱旋門賞へ連れて行けるとしたら-。重い芝を得意とし、ダートも走れる馬…個人的には泥んこ馬場の
函館記念を制した
ハヤヤッコが思い浮かんだ。芝の超一線級ではなく、そういったタイプに勝機があるのかもしれない。(デイリースポーツ・山本裕貴)
提供:デイリースポーツ