◆第73回
毎日王冠・G2(10月9日、東京・芝1800メートル、良)
第73回
毎日王冠・G2は9日、東京競馬場の芝1800メートルで行われ、
サリオスが最後の直線で豪脚を発揮し、1分44秒1のコースレコードV。2年ぶりの同レース勝利は重賞4勝目。優先出走権を獲得した
天皇賞・秋(30日、東京)を含め今後の進路は未定だが、G1・2勝目へ期待を抱かせるパフォーマンスだった。
直前に急激に強くなった雨をものともしない衝撃のレコードVだ。
サリオスは前半1000メートルが57秒9の激流を中団のインでじっくりと待機。最後の直線では前が壁になり苦しい位置に入ったが松山は慌てず。丁寧に馬群をさばき、前を行く
ダノンザキッドと
ジャスティンカフェとの間に1頭分のスペースを見つけると、そのスペースに馬体を滑り込ませる。さらにグンと加速すると、上がり最速タイとなる33秒8の末脚を引き出し、半馬身抜け出したところが4つ目の重賞タイトルへのゴールだった。
一昨年のこのレース以来の白星は、07年の
チョウサンのコースレコードを0秒1更新する“復活走”。鞍上は「本当に強い競馬でした。僕が乗ってなかなか結果が出せなかったんですけど、いい結果を出すことができてうれしい」。4戦ぶりのコンビ復活でつかんだ重賞タイトルに素直に喜びを表現した。
節目の通算700勝が重賞勝利となった堀調教師は「厩舎に関わってくださった全ての皆さまのお陰です」と感謝の意を伝えた。これで19年の
朝日杯FS以来となるG1制覇へ大きく期待が高まった。シルクレーシングの米本昌史代表も「普通は届かないですよね。種牡馬としての血を残せるようにもう一つG1を取ってほしい」と強烈なインパクトを受けた様子。今後に関しては「G1のどこかになる」とし、優先出走権を手にした
天皇賞・秋や
マイルCS(11月20日、阪神)、
香港マイル(12月11日、シャティン)にも登録する予定。5歳でなお成長を続ける
ハーツクライ産駒の今後から目が離せなくなった。(石行 佑介)
◆
サリオス 父ハーツクライ、
母サロミナ(父ロミタス)。美浦・
堀宣行厩舎所属の牡5歳。北海道安平町・ノーザン
ファームの生産。通算14戦5勝(うち海外1戦0勝)。総獲得賞金は4億9217万7100円。主な勝ち鞍は19年サウジアラビア
ロイヤルC・G3、
朝日杯FS・G1、20年
毎日王冠・G2。馬主は(有)シルクレーシング。
スポーツ報知