23日(日)阪神競馬場で行われる第83回
菊花賞(GI)に出走予定の
アスクビクターモア(牡3歳 美浦・
田村康仁厩舎)について、共同記者会見での
田村康仁調教師のコメントは以下の通り。
「前走は4か月ぶりで使って、使った後も順調でした。日程もタイトでしたから
セントライト記念の後はずっと厩舎にいて、先々週、先週、そして今週と3本単走で追い切りました。
今朝の最終追い切りも単走でいきましたが、月曜日から天気があまり良くなくて馬場は割と重めだと思いますが、朝の一番乗りで非常に良い状態のところを走らせ、折り合いを重視して、きちんとコントロールしながらラップを刻んで最後だけすっと放し、さらにゴールを過ぎてからもずっとブレーキかけないで流すように指示を出していました。指示通りに乗れていましたし、そんなにすごい時計を出しているわけではありませんが、躍動感もあり、いい感じだったかなと思います。ラスト200mの動きは先週、先々週よりさらに、非常に良かったかなと、私には見えました。
ダービーの後、牧場できちんとケアをしてもらい、心身共にリフレッシュした状態で返してもらいました。前走は4か月ぶりでしたが、まあまあできているのではと思っていましたから、無理せず勝たせてあげたかったかなと思いましたが、本当に相手が強くて、かないませんでしたが、きちっと仕上げて、負けはしましたけど、内容としては良かったと思っています。夏も上手に越せましたし、前哨戦もそれなりにいい競馬をして、非常に上向いた状態で今日まで来られました。取るだけの力はあると思っていますから、こちらに運が来ればと思っています。
追われる立場になるのは光栄な事だと思います。これまでは追う立場でしたから、非常に気持ちも楽でしたが、限定戦はこれが最後、これから先さらに強力な相手と戦うことになると思うと、ハードルは高くなってくるわけですし、そういうのに打ち勝ってこそ強い馬になっていくわけですから、これから作戦を考えていこうかなと思っています。注目されるのは光栄な事です。
距離はどの馬も初めてですし、当初からこの馬は中長距離の馬だと思っていましたから、距離をつめる事は考えていませんでした。長距離の方で花が開くのではないかと昨年の暮からずっと思っていました。当初良くないと言われていた左回りのダービーでコーナーもきちんと曲がれましたし、2400mも見せ場たっぷりに走り切りましたし、3000mがダメだとは全く思っていません。
東京に近いのが京都、中山に近いのが阪神と私は思っていまして、そういう点では、
アスクビクターモアにとっては、阪神競馬場というのは非常にいいのではないかと思っていましたから大歓迎です。中山の坂は相当きつく、この馬はそれを経験しています。阪神競馬場も非常にタフではありますが、坂もクリアできると思っていますし、条件は皆同じ、この馬は長い距離を走りきれるので大丈夫です」
(取材:中野雷太)
ラジオNIKKEI