◆第83回
菊花賞・G1(10月23日、阪神・3000メートル)
第83回
菊花賞(23日、阪神)の出走馬が19日、東西トレセンで最終追い切りを消化した。G1初挑戦でいきなりの戴冠を狙う
ガイアフォースが栗東・坂路でパワフルな走りを披露。スポーツ報知馬トク取材陣の
ジャッジで「動き1位」を獲得した。今年のクラシック最終戦は65年ぶりに春2冠の連対馬が不在となる大混戦。15年覇者
キタサンブラックの産駒が史上14組目の父子制覇を視界に捉えた。出走馬と枠順は20日に決定する。
完歩の大きい豪快なフットワークで駆け上がった。松山が手綱を執った栗東・坂路での最終追い切り。
ガイアフォースは四肢を伸ばし、全身を使ったフォームで余力十分に54秒1―12秒1をマークした。「素軽くリズム良く走れていい追い切り。先週よりも素軽さが出て、もう一段階良くなっていると感じました」。鞍上の明るい表情が好仕上がりを示していた。
遅れてきた大物―。この称号がピッタリ合う。前走の
セントライト記念は、ダービー3着馬の
アスクビクターモアと直線で抜きつ抜かれつのマッチレース。松山が「強い競馬」と振り返ったように、最後は春の実績馬を頭差でねじ伏せた。昨年9月の新馬戦はのちのダービー馬
ドウデュースに首差2着。その後、膝の骨折で約6か月の休養を余儀なくされたが、復帰後は4戦3勝と順調に歩み、ラスト1冠の大舞台に駒を進めてきた。
2走前の
国東特別(小倉・芝2000メートル)では1分56秒8のコースレコードをマーク。スピードの持続力が最大の武器だ。京都競馬場が改修中のため、
菊花賞は昨年に続き阪神内回り3000メートルでの開催。例年に比べ、瞬発力よりも器用さや持久力が求められる舞台は追い風になる。「総合力が高く、いい脚を長く使える。(距離も)
ガイアフォースならこなしてくれると思います」。相棒に絶大な信頼を寄せる鞍上も、今年は単独トップの
JRA重賞9勝と絶好調だ。
セントライト記念を制して
菊花賞に向かうのは父
キタサンブラックと同じローテ。産駒初のG1タイトルのプレゼントが実現すれば、史上14組目の父子菊制覇ともなる。G1・7勝をマークした偉大な父に続き、ようやく秋めいてきた仁川のターフに菊の大輪を咲かせる。(戸田 和彦)
スポーツ報知