日本調教馬による快挙達成から早1年。現地11月4日から5日(日本時間6日早朝)にかけて、アメリカ・ケンタッキー州のキーンランド競馬場でブ
リーダーズカップが開催予定だ。
当記事では、昨年のBCフィリー&メアターフを制した名牝
ラヴズオンリーユーの蹄跡を振り返る。
デビューから4戦無敗で2019年の
オークス馬となり、以後も中距離重賞路線で存在感を示した。2年連続で
JRA最優秀短距離馬に輝いた
グランアレグリア、
宝塚記念連覇を含む
グランプリ3連覇を果たした
クロノジェネシスなど同世代の強豪牝馬が大活躍するなか、昨年の
京都記念で復活の勝利を挙げた。
京都記念制覇後、海外遠征を敢行し
ドバイシーマクラシックで3着に好走。そのまま香港へ転戦し、
クイーンエリザベス2世カップで海外G1初制覇を果たした。その後、
札幌記念への参戦を経てアメリカへ遠征。
川田将雅騎手とのコンビでBCフィリーズ&メアターフに出走し、
凱旋門賞馬
ソットサスの半妹
My Sister Natや地元の芝路線で快進撃を続けていた
War Like Goddessなど、強豪馬を退けて『日本調教馬史上初』となるブ
リーダーズC制覇を成し遂げた。
快挙達成後も帰国せずに香港へ。12月の
香港カップを完勝し、同年の
JRA最優秀4歳以上牝馬を受賞、またアメリカの年度表彰である『エクリプス賞』においても最優秀芝牝馬に輝き、通算成績16戦8勝で競走馬生活に幕を下ろした。日本、香港、アメリカの3ヶ国でG1を勝利、1年のうちに海外G1を3勝するのは日本馬初の快挙だった。
ラヴズオンリーユーは
父ディープインパクト、
母ラヴズオンリーミー、母の
父Storm Catという血統。全兄には2016年の
ドバイターフ覇者
リアルスティールがいる。
三代母ミエスク(
Miesque)は1980年代後半の欧州マイル戦線を代表する名牝で、現役時代にはG1・10勝の実績を残している。母としても優秀で、後世の競馬に多大な影響を与えた大種牡馬
キングマンボ(
Kingmambo)や、1994年の仏二冠牝馬
イーストオブ
ザムーン(
East of the Moon)などを輩出した。
ラヴズオンリーユーの二代母モネヴァッシア(
Monevassia)は
キングマンボの全妹にあたる。
また、同じ一族からは2018年の
ジャックルマロワ賞を含むG1・4連勝を果たした
アルファセントーリ(
Alpha Centauri)や、日本で生産されフランスで現役生活を送りG1・3勝を挙げたカ
ラコンティ(
Karakontie)、欧州産まれの
ディープインパクト産駒として2018年の仏ダービー馬となった
スタディオブマンなどが出ている、申し分ない超良血馬だ。
初年度の交配相手は
エピファネイア。現在はお腹も大きくなり、ここまで順調にきているとのこと。2023年春に出産予定だ。