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【アルゼンチン共和国杯】前走3勝クラスVのブレークアップがG2制覇 田辺騎手「まさか勝てるとは」次はG1で大ブレークだ

スポーツ報知
  • 2022年11月07日(月) 07時00分
◆第60回アルゼンチン共和国杯・G2(11月6日、東京・芝2500メートル、良)

 アルゼンチン共和国杯・G2は6日、東京競馬場の芝2500メートルで争われ、オープン入りを果たしたばかりの6番人気のブレークアップ(田辺)が重賞初制覇。ひと夏を越して大きく成長した“上がり馬”が、視線の先にG1の大舞台を見据えた。

 冷静な手綱さばきがさえ渡った。4角3番手で運んだブレークアップは、直線の入り口で逃げたキングオブドラゴンが内ラチに接触して外によれるアクシデントをうまくかわして加速。先頭に立ってからもしぶとく、最後は2着馬に1馬身1/4差をつけて重賞初制覇だ。田辺は「まさか勝てるとは。正直、びっくりするほどうれしい」とイメージ通りの快勝に少し声が弾んだ。

 これまで前で積極的に粘る競馬が身上だったが、前走の六社S(東京、芝2400メートル)は好位3番手から直線でためた末脚を発揮して勝利と新境地を開いた。「前走は控えてもしまいの踏ん張りがよく見えたので、それにかけた。思った通りのいいレースでした」と鞍上。自身は8戦ぶりとなる久々のコンビだったが、逃げるパターンも選択肢に入れながら、逃げ馬の後ろで構える作戦通りの好騎乗で勝利をたぐり寄せた。

 デビュー以来、適度な間隔を空けてコンスタントに使ってきたが、今夏にしっかり休ませたことが成長につながった。黒岩調教師は「夏場に(長距離の)適性のある番組がなく、無理して使わなかった。それで前走あたりから走りが良くなって、体が起きてバランス良く走れて切れるようになった」と説明。3勝クラス勝ち直後にG2制覇と、絵に描いたような“上がり馬”の本格化した走りだった。

 大きなタイトルを手にして、次はさらなる大舞台が視界に入ってくる。「今後はジャパンC(11月27日、東京)か有馬記念(12月25日、中山)を目標に」と黒岩師。並みいる実績馬相手につかんだ白星は価値が高く、じっくりと遅咲きの4歳馬が文字通りブレイクした。(坂本 達洋)

 ◆ブレークアップ 父ノヴェリスト母リトルジュン(父クロフネ)。美浦・黒岩陽一厩舎所属の牡4歳。北海道浦河町・谷川牧場の生産。通算17戦5勝。総獲得賞金は1億2561万2000円。重賞初勝利。馬主は阿部東亜子氏。

スポーツ報知

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