先週のGII
京王杯2歳S(東京芝1400メートル)、GIII
ファンタジーS(阪神芝内1400メートル)に続き、今週はGII
デイリー杯2歳S(12日=阪神芝外1600メートル)が行われる。年末の2歳GIと同じ舞台。となれば先週の2重賞よりも“先を意識した”大物が集うと考えるのが自然。そんな中、果敢に西下してのチャレンジを決めたのが
オールパルフェである。
大物出現率が高いことから例年、関東圏では最も注目される2歳戦開幕週の東京芝1600メートルでデビュー。そこでは
ノッキングポイントの3馬身差2着に敗れたものの、4か月の休養を経て臨んだ未勝利戦(中山芝外1600メートル)で鮮やかな2馬身差逃走Vを決めてみせた。ちなみに前出新馬戦出走馬は
オールパルフェ以外にも4、5着馬がすでに勝ち上がり。レベルが高かったことに疑いを挟む余地はない。
オールパルフェの
母クイーングラスは2勝目を挙げたのを最後にわずか6戦で引退しているが、そのキャリアの中で連逸したのはGIII
紫苑S(7着)のみ。古馬になってからも無事に走っていれば…と思わせる能力があったことは間違いない。初子から素質あふれる
オールパルフェを出したこともそれを証明しているのではないか。
「母もスピードのある馬でしたけど(父の)
リアルスティールがより濃く出ていますね。決してハナにこだわっているわけではないですし、実戦を経験しつつオンとオフの切り替えというか、気持ちにゆとりも出てきました」とは管理する和田雄調教師。血統背景や気性の成長から距離を詰める必要性は感じられず、継続してのマイル戦出走となったのだろう。
1週前追い切りでは古馬1勝クラスの
カイタローと併せて馬なりのまま3馬身の先着(南ウッド5ハロン66.1-11.5秒)。その併走相手に騎乗していたトレーナーは「残り2ハロンで追い出した時は“負けないかな”と思ったんですが、あの時計でまとめられては…。申し分のない動きでしたね。他馬も速いとは思うけど、いい位置で競馬ができるはず。ここでも楽しみにしています」と手応えをつかんでいる。
そしてデビューから手綱を取っている大野もまた「新馬戦では内にモタれる面もあったのですが、右回りの前走では真っすぐに走れたので気にしなくて良さそうですね。あとは馬の後ろから行った時にどんな走りができるのか、僕自身も楽しみにしています」。
こだわりのマイル戦に、確かな成長を見せて挑む
オールパルフェ。ここで“完全無欠”の走りができれば、GIでも注目の存在となる。
(立川敬太)
東京スポーツ