◇厳選超抜リスト
調教の動きだけに注目して勝ち馬に迫る秋の追い切り企画「厳選超抜リスト」。特別取材班が
エリザベス女王杯で注目したのは美浦Wコースではじけた
テルツェットだ。最終追いでは昨年より心身の成長をアピール。5歳秋で挑むラストG1で最高の走りを見せる。
集大成の大一番へ悔いのない仕上げだ。
テルツェットの追い切りは栗東から駆けつけた池添を背に美浦Wコースで。馬場入り時に
テンションが上昇する課題を抱えるが、初G1制覇への最終リハはスムーズにスタート。和田正師は「昨年(11着)も悪くはなかったが、今年の方がさらに良い状態で出せるのではないでしょうか。放牧を挟んで順調に調整できている」と納得の口ぶりだ。
道中は力みなく
リラックスした走り。落ち着いて
フエキ(3歳1勝クラス)の4馬身ほど後ろを追走した。直線で内に入ると、池添がしまいの反応を確かめるために軽めのアクション。ラスト1F11秒5で一気にはじけると、後輩牝馬を2馬身置き去りにした。池添は「リズムが良かったし、直線でハミを取ってからはいい反応だった。抜け出してからソラを使ったので肩ムチを入れたけど、先週しっかりやっている分、その後もいい反応。状態良く本番に向かえると思う」と手応えありの口ぶりだった。
所属クラブの規定により来年3月での引退が決定済み。重賞3勝(21年ダービー卿CT、21&22年
クイーンS)の身だが、G1タイトルを手にするのはここが事実上のラストチャンスとなる。中間はプール調教を取り入れるなど、
テンションに気をつけながら最高の状態に近づけた。和田正師は「今日の動きも折り合えた中で前向きに走れていたと思います。昨年より身が入って馬体の張りを感じる」と充実ぶりを頼もしげに語った。
最後の挑戦を後押しするように週末は雨の予報。池添は「昨年の
クイーンSも雨で走っているし(馬場は良)、時計がかかるのはいい。前走後に
マイルCSではなく、こっちを進言したのは自分なのでうまく乗りたい」と意気込み十分だ。体質の弱さ、不安定なメンタルに悩まされたのは昔の話。我慢を覚えた小さなおてんば娘が、集大成で最高の走りを見せる。
スポニチ