【地方からの風】秋が深まり、2歳戦が
ヒートアップしてきた。8日、川崎で行われたS2
ローレル賞はマカゼが逃げ快勝。牝馬戦線の中心に躍り出た。来週以降も注目レースが目白押し。16日、大井で行われるS1
ハイセイコー記念で重賞タイトルを狙うのが浦和の
ピノホホッア(牡=野口)だ。「何ごとにも動じない性格。気を使う必要がない。逆にピリッとしたところがなくて心配になるが、レースに行くと前向きなところがいい」。野口師は実戦向きのメンタルを高く評価している。
能力も一級品。8月、浦和800メートルで白星デビューを飾った。47秒6の好タイムで2着に4馬身差。この圧勝劇で手応えをつかむと、2戦目で早くも重賞に挑む。9月、大井で行われたS3
ゴールドジュニアに参戦し、3着に食い込んだ。キャリア1戦だったことを考えれば健闘と言っていい。その3週間後、「
全日本2歳優駿を見据えて」川崎に登場。先行押し切りを図る2着馬をゴール寸前で捉え、2勝目を挙げた。着差は首差。「一周競馬で初めて抑える競馬をしたら1コーナーでレースが終わりだと勘違いしたみたい。鞍上が慌てて気合を入れ直してくれて、何とか勝ち切ってくれた」と師。確かにVTRを見返すと、最も勢いがあったのがゴール付近。序盤からスピード全開の競馬をすればもっと楽に勝てただろう。将来を見据えたからこその辛勝だった。
この道41年、通算900勝を誇る名伯楽の英才教育に応えて着実に
ステップアップ。「少しずつ大人びた感じになってきた」と師。前走と同じ
内田利雄が手綱を取る。こちらも騎手生活40年超。ベテランコンビが送り出す
ピノホホッアがTCKの夜を熱くさせる。
スポニチ