ウメムスビとのコンビで挑む
朝日杯フューチュリティS(18日=阪神芝外1600メートル)が、GI初騎乗となるルーキー・角田大河。「騎手は小さいころから夢見ていた仕事」と話す19歳は、大舞台に向かう心境をこう口にした。
「オーナー(紀州ほそ川飼料)も1年目、僕も1年目ということで初物尽くしが多い中で、こうやっていい経験をさせていただけるのはすごくうれしいことですよね。“感謝したいな"と思いますし、“いい結果を出したいな"とも思います」
不安をはるかに上回る期待の原動力となっているのは、これまでに
ウメムスビと築いてきた信頼関係だ。主戦として過去5戦のうち4戦で手綱を取り、人も馬も一戦ごとに成長を遂げてきた。
「本当に真面目な馬で一戦一戦、学んできてくれていますし、僕もこの馬から学ばせてもらっている部分があります」
そんな人馬にとって2走前の小倉2歳S(7着)は敗れてなお収穫のある一戦となった。
「(3走前の)
フェニックス賞(4着)では僕がうまく乗れなかった分も含めて力んでしまいましたが、小倉2歳Sではうまく馬の後ろで我慢することができました。フッと馬の力みがなくなって走ってこれたんです」
続く前走の
カンナSで自身は騎乗できなかったものの、番手からでも力みのない追走で勝利をつかみ取れたのは、間違いなく小倉2歳Sの経験が生きたもの。鞍上も「積み重ねてきたレース経験は、距離が延びてもつながるものだと思っています」と大一番に向けて腕をぶす。
もちろん、厩舎サイドのサポートが大きな力になっていることへの感謝も忘れてはいない。
「うまくいったことも、いかなかったことも、新谷先生や厩舎スタッフの方々が細かく見てくださって。次につながる競馬へ向けての調教であったり、僕がどう乗るべきかっていうところも教えてくださっています」
大一番へ向けた調整も抜かりはない。1週前追い切りでは自身が騎乗してウッド6ハロン79.8-12.2秒をマークした。
「前週より確実に動けてましたし、ウッドチップをかぶる中でも最後まで一生懸命頑張ってくれてました。その部分もレースにつながる、この子の強みだと思っています」
3月の騎手デビューから先週終了時点で
JRA33勝。角田大河は「(デビュー年に)まさかGIに乗せていただけるとは思っていなかったですし、すごく充実した1年間になると思います。騎手としてはまだまだ本当に未熟な面があるので、そこは一刻も早く成長して…という気持ちで頑張りたいと思っています」と改めて決意を口にした。
ウメムスビという名前は、オーナーの“新しく馬主となってできたご縁を大切にしたい"との思いが込められたものだ。
「朝日杯当日の昼は梅おにぎりを食べようと思っているんです。勝負飯として。ゲン担ぎは大事ですし、いろんな結びを大切にして…」
初の大舞台に挑む
ウメムスビ=角田大河を応援する方はレース当日、梅おにぎりを食べて、彼らの馬券を買っていただきたい。
(西谷哲生)
東京スポーツ