「
有馬記念・G1」(25日、中山)
失地回復を目指す21年の覇者
エフフォーリア。久々に主戦の横山武がまたがり、美浦Wで3頭併せを行った。直線は2頭の間に入り、余裕の手応えで貫禄の半馬身先着。鞍上の
ジャッジも上々だ。逆襲の舞台へ向けて、着々と準備は進んでいる。
霧に包まれていた視界は、確実に晴れつつある。復権へ向けて、
エフフォーリアと主戦の横山武が久しぶりにタッグを組んだ。
午前9時40分過ぎに美浦南ダートへ登場。軽めのキャンターで半周してから、Wへ向かう。心地良い冬の日差しを真正面に受けながら、3馬身ほど前に
ホープフルS出走予定の
シーウィザード(2歳オープン)、後ろに
ルッジェーロ(7歳オープン)という隊列でスタートした。
直線入り口で2頭の間に収まると、馬場の八分どころで3頭の馬体が重なり合う。しかし、それも一瞬。役者が違うとばかりに頭一つ抜け出すと、6F83秒4-37秒6-11秒4のタイムで、楽々と
フィニッシュラインを先頭で駆け抜けた。
調教での騎乗は
宝塚記念の最終リハ以来。横山武は「大きく変わったとは言えないけど、間違いなく春よりは良くなっています。もともと手前の変え方がうまい方じゃないけど、きょうは一発で変えていました。小さなことだけど、大きなアクションだと思います」とうなずいた。
頂点を極めた21年から一転、22年は
大阪杯9着→
宝塚記念6着と別馬のような姿。鹿戸師は「気持ちの面もあるし、初めて経験したハイペース、ゲートでのトラブル。それに宝塚の時は暑さもあった」と、それぞれに敗因を求める。夏場は北海道で完全リフレッシュ。立て直しに努めてきた。「恥ずかしい競馬はしたくない」。不振の中でも2位に推してくれたファンの気持ちに決意を新たにする。
主戦は言う。「昨年の姿を求めるのではなく、今の
エフフォーリアを受け止めたい。春はケイコでおっつけおっつけだったのが、きょうは持ったままでいい時計。自分なりに体も大きくなったと感じています」と前を見つめる。本番まではあと10日。待ったなしの戦いが始まった。
提供:デイリースポーツ