今年も残すところ今週末の2日間と28日の合計3日。その締めくくりとして、12月28日に中山競馬場芝2000mで行われる
ホープフルS。昨年の3着以内馬のそれまでの戦績を振り返ってみたい。
3頭に共通するのが「コーナー4つの芝2000mで勝利経験があった」こと。そして、1番人気に推された
コマンドライン(12着)は
サウジアラビアRCを含めた、東京マイルしか経験いていなかった。
【12月24日(土) 阪神芝1800m】
◆
ミントマーク(牡、父
ルーラーシップ、
母ローズノーブル、栗東・
池添学厩舎)
半兄に小倉芝1200mの新馬戦を勝ち、その後も芝1200mで3勝を挙げ、今年の函館SSで2着するなど、重賞でも活躍している
ジュビリーヘッド(父
ロードカナロア)がいる。
本馬は9月1日にノーザンFしがらきから入厩して、15日にゲート試験を合格。その後は牧場に戻って調整し、栗東へ戻ってきてからは坂路中心に時計を出している。12月14日のCWでは新馬を追走する併せ馬。前半をゆったり進めたとはいえ、最後の直線は12.3秒から11.5秒に加速してフィニッシュ。相手をちぎって先着しており、
ルーラーシップ産駒らしい脚力を見せた。
◆
プッシュオン(牡、父
キズナ、
母ラルナデミエル、栗東・
西村真幸厩舎)
きょうだいに目立った活躍馬の馬名は見当たらないが、母
父Monsunといえば、
オークスを制した
ソウルスターリング(父
Frankel)や
凱旋門賞を制した
Waldgeist(
父Galileo)の名が思い浮かぶ。本馬は2020年セレクトセール当歳にて、4400万円で落札されている。
12月8日のCWでの3頭併せには、レースで騎乗予定の
松山弘平騎手が騎乗。先頭を走り、
朝日杯FSに出走した
スズカダブルには追い抜かれるが、古馬2勝クラスの追撃は振り切る。12月14日の坂路では2歳1勝クラスを追走して追いつき、4F52.8秒をマーク。ここまでの追い切り本数は決して多くないが、トラックでも坂路でも、しっかり動けている。
【12月24日(土) 阪神ダート1400m】
◆
テリオスカイ(牡、父
ミッキーアイル、
母ルピナスベル、栗東・
松下武士厩舎)
母は現役時代に
松下武士厩舎で管理され、1勝だったが、9戦して掲示板を外したのは2回だけという堅実派。競走馬登録された産駒はこの馬が初めてになる。
本馬はゲート試験合格後に一旦放牧に出されて、11月に栗東へ帰厩。その最初となる追い切りでは4F51.9秒(11月16日)をマークし、
ミッキーアイル産駒らしいスピードある動きを見せた。12月14日のCWでは3頭併せを先頭で走り、内から古馬1勝クラスに追い抜かれてしまったが、当時新馬の
テンカオーライとは互角の動き。その相手が先週の阪神ダート1800mで新馬勝ちしたことを思えば、この馬の評価も自然と上がってくる。鞍上は
松本大輝騎手が予定されている。
【12月25日(日) 阪神芝1400m】
◆
エスカミーリョ(牡、父
エピファネイア、
母サルスエラ、栗東・
音無秀孝厩舎)
母系には
シュヴァルグラン(
父ハーツクライ)、
ヴィルシーナ(
父ディープインパクト)、
ヴィブロス(
父ディープインパクト)といったG1ホースが名を連ねる血統。本馬は2021年セレクトセール1歳にて、4000万円で落札されている。
10月12日に栗東でゲート試験を合格した後、牧場で調整し、11月29日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。12月14日はDコースの芝馬場で新馬3頭での併せ馬を行い、6F77.5秒をマーク。スピードある動きを見せている。「まだ緩さはありますが、追い切るごとに良くなっていますよ」と
音無秀孝調教師。鞍上は
角田大和騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)