過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す「G1データ王」。今回はスペシャル版「有馬データ王」として、暮れの大一番を精細に分析した。連覇か雪辱か、それとも新星の台頭か。データ班の結論は、父子制覇を狙うあの馬だ。
【年齢】
過去10年の連対馬は全て3〜5歳。6歳以上で馬券に絡んだのは18年3着
シュヴァルグランのみ。狙いは5歳以下に絞れる。内訳は3歳【4・2・2・16】、4歳【2・5・1・36】、5歳【4・3・6・45】。3歳が勝率(16・7%)、連対率(25%)でリードする。残り1週間ほどで4歳=古馬扱いとなる状況で、年長馬より2キロ軽い重量で出走できるのは当然有利。5歳は4勝、2着3回と数字上は健闘しているが、うち2勝、2着2回は55キロで出走できる牝馬の好走だった。
【前走】
菊花賞組が【3・1・2・7】。勝率23・1%、連対率30・8%で他を圧倒する。3歳優勢の傾向ともリンクする。続くのは【2・2・1・12】の
天皇賞・秋組。
ジャパンC組は【2・2・5・47】。勝率(3・6%)、連対率(7・1%)で見ると分が悪い。かつての王道だが近年は不振。JC組の優勝は17年
キタサンブラックが最後。JC→有馬の連勝は06年
ディープインパクトまでさかのぼる。
ヴェラアズールには不吉な傾向。
凱旋門賞からの直行組は【1・1・2・3】とまずまずの成績。遠征帰りを極端に嫌う必要はない。
【実績】
優勝馬に限れば10頭中8頭が出走時点でG1馬。うち7頭はG12勝以上。15年
ゴールドアクター、18年
ブラストワンピースは有馬でG1初制覇。2頭共に重賞V&G14着以内という実績があり、これを必須条件としたい。
菊花賞2着から臨む3歳
ボルドグフーシュは重賞未勝利。
アルゼンチン共和国杯からの連勝を狙う
ブレークアップはG1初挑戦という点で、割り引く必要がある。
【近況】
まず優勝馬10頭は、全て前走で4着以内に好走していた。うち前走1着からの連勝が5頭。大敗から巻き返してもVまでは厳しい。しかも、10頭全てが当該年に1勝以上。その年に未勝利のまま有馬を制したのは、05年
ハーツクライが最後だ。次に間隔。3着以内に入った30頭全てが中11週以内=
凱旋門賞(10月1週)以降に出走していた。これ以上、間隔を空けての臨戦は厳しい。連覇を狙う
エフフォーリアは6月の
宝塚記念6着から半年ぶりの実戦。しかも今年未勝利。データからは苦戦必至とみる。
【結論】
データ班のイチ推しは
イクイノックス。3歳馬にして天皇賞馬。4項目も難なくクリアし、通算【3・2・0・0】と底を見せていない戦歴も魅力。有馬通算【2・4・2・7】のルメールの手綱で、父
キタサンブラックとの父子制覇を狙う。
タイトルホルダーは
凱旋門賞の着順(11着)だけが減点材料。上位争いは確実。穴で押さえたいのは
ジャスティンパレス。有馬がG1初勝利の要件を満たしている3歳馬で要注意だ。 (データ班)
○…3歳馬の有馬Vは21世紀となった01年以降で8頭。いずれもクラシック3冠のいずれかに出走し「全て5着以内=掲示板確保」という実績があった。
皐月賞、ダービーと連続2着の
イクイノックスはこの条件もクリア。ちなみにイクイと同じダービー2着→同年
天皇賞・秋Vの実績があった
シンボリクリスエス、
エフフォーリアは、いずれも有馬を制している。
スポニチ