12月25日に中山競馬場で行われる第67回
有馬記念。GI・3勝馬
タイトルホルダー、
天皇賞(秋)覇者
イクイノックス、昨年このレースを制して
年度代表馬に輝いた
エフフォーリアを始め、16頭が出走を予定している。
数々の名ドラマを生んだ
有馬記念だが「4番人気」に着目すると、とりわけ印象的なレースが多い。
「4番人気伝説」の始まりは
オグリキャップ。それまでGI・3勝を含む
JRA重賞11勝を挙げる大活躍ながら、1990年秋は脚部故障もあり、2戦連続惨敗。引退レースとして迎えた
有馬記念では単勝5.5倍の4番人気に支持された。稀代の
アイドルホースも
ピークは過ぎたのではと囁かれた中、先頭でゴール板を駆け抜け、奇跡の復活を遂げたのである。
同じく劇的な復活劇を見せたのは、
トウカイテイオー。デビューから無敗で
皐月賞と
日本ダービーを制し、二冠馬となったものの、競走生活では三度の骨折。364日ぶりのレースとなった1993年の
有馬記念は4番人気となった。迎えたレースでは抜け出した
ビワハヤヒデを
トウカイテイオーが競り落とし、見事に優勝した。
1997年は同年の
宝塚記念と
大阪杯を制した
マーベラスサンデー、
天皇賞(秋)を制した女傑・
エアグルーヴ、牝馬二冠馬
メジロドーベルが出走。これらを抑えて4番人気の
シルクジャスティスが外から差し切り。ダービー2着の雪辱を晴らすGIタイトル獲得となった。
翌1998年はデビューから無傷4連勝で朝日杯3歳S(現
朝日杯FS)を勝利したものの、続く
毎日王冠と
アルゼンチン共和国杯で敗北を喫した
グラスワンダーが4番人気に。
セイウンスカイや
ステイゴールド、
エアグルーヴ、
メジロブライトらを相手に1度目の
有馬記念制覇を達成した。
2000年代に入り、05年には無敗の三冠馬
ディープインパクトが
有馬記念に出走。単勝1.3倍に支持されたものの、
C.ルメール騎手が手綱を執った4番人気の
ハーツクライが追撃を交わして1着となった。
ディープインパクトに先着した日本馬は、後にも先にも
ハーツクライただ一頭のみである。
2014年の
有馬記念は
ゴールドシップ、
エピファネイア、
ジャスタウェイを始めGI馬10頭が揃う豪華レースに。これを制したのが三冠牝馬・
ジェンティルドンナであった。前走の
ジャパンカップで引退を予定していたものの、4着の結果を受けて陣営は引退を撤回。
有馬記念に出走すると、力強い走りで強豪牡馬たちを蹴散らし、名牝は有終の美を飾ったのである。
今年の豪華メンバーで果たして当日4番人気になるのはどの馬なのか、そして劇的なドラマは起こるのか。
有馬記念発走は12月25日15時25分。