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GI/JpnI・11勝馬コパノリッキー ラストランで超えた“ライバル”の記録/GIプレイバック

  • 2022年12月28日(水) 20時05分
 12月29日(木)に大井競馬場で行われる東京大賞典(3歳上・GI・ダ2000m)。ダート路線の総決算と称される一戦で、過去幾多の名勝負や名場面が生まれてきた。本記事ではコパノリッキーがGI/JpnI・11勝の日本記録を打ち立て、有終の美を飾った2017年の東京大賞典を振り返る。

 本稿の主役コパノリッキー父ゴールドアリュール母コパノニキータ、母の父ティンバーカントリーという血統の牡馬。日高町のヤナガワ牧場で生産され、現役時代は栗東・村山明厩舎に所属した。

 2012年12月にデビューを迎え、翌年1月に初勝利。同年5月の兵庫CSで重賞初制覇を飾ったが、直後に骨折が判明し半年間の休養を余儀なくされる。復帰後の2戦は振るわなかったが、果敢に挑戦した2014年2月のフェブラリーSで単勝272.1倍の低評価を覆してGI初制覇。その後もダート路線を牽引し、ラストランを前にして積み重ねたGI/JpnIタイトルは「10」。ホッコータルマエと肩を並べ日本タイ記録だった。

 前述のフェブラリーSで初対決を迎えた2頭は同時期に活躍し、生涯10度の対決で対戦成績(先着回数)は全くの五分。コパノリッキーを管理する村山明師ホッコータルマエの引退に際し「タルマエとはお互いにマークされたり、意識しあってレースをしていた」と語ったように、自他共に認めるライバル関係であった。それだけに「ラストランを飾って、タルマエ超えを」という思いがあったに違いない。

 そして、迎えたレース本番。GI初制覇を飾ったフェブラリーSと同じ7枠13番からスタートしたコパノリッキーはハナを主張。ケイティブレイブも抵抗したが、譲らずハナを取りきった。前半はやや速いペースとなったが、向正面に入ると落ち着き、1000m通過時点61.3秒のミドルペースで軽快に進む。

 レースが動いたのは4コーナー。ケイティブレイブがじわりと仕掛けてきたが、コパノリッキーは手応え優勢のまま引き離しにかかる。直線に入るとケイティブレイブは早くも一杯で、ただ一頭コパノリッキーだけが内ラチ沿いを駆け抜けていった。ゴール手前で後方からサウンドトゥルーが追い込んで来たが2番手まで。最後は後続に3馬身差を付け、GI/JpnI・11勝の日本記録とともに有終の美を飾った。

 なお、東京大賞典の4日前には年末のグランプリ有馬記念が行われた。制したのはキタサンブラックJRA・GIを7勝し通算獲得賞金1位に輝いた。奇しくも両馬ともヤナガワ牧場で生産されており、同牧場から芝・ダートの歴史的名馬が誕生することとなった。芝に続きダートでも歴史的名馬がラストランを飾り、2017年の競馬は幕を閉じた。

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