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【東京大賞典】新星ウシュバテソーロが重賞初挑戦でG1制覇 ダート転向後5戦4勝と才能開花

スポーツ報知
  • 2022年12月30日(金) 07時00分
◆第68回東京大賞典・G1(12月29日、大井・ダート2000メートル、良)

 第68回東京大賞典・G1が29日、大井競馬場のダート2000メートルで14頭(JRA6、南関東7、他地区1)によって争われた。今年から優勝賞金が1億円に増額された年末の砂の大一番を制したのは、2番人気のウシュバテソーロ(横山和)。ダート路線に転じて5戦目、重賞初参戦だったが、直線で豪快に脚を伸ばし、1馬身3/4差をつけて快勝し、G1ホースの仲間入りを果たした。4着までJRA勢が独占した。

 砂の新王者誕生だ。ゴールの瞬間、ウシュバテソーロの横山和は高々と腕を振り上げた。3歳ダート王のノットゥルノ帝王賞馬のメイショウハリオを下し、重賞初挑戦でG1タイトルをつかんだ。

 序盤はスローな流れに苦しんだ。しかし、3コーナー手前で一斉に各馬が動き出すとペースも上がり、隊列も流れた。これで「人も馬も冷静になれた」と横山和。レースが動いた瞬間を見逃さず、外を回って追い上げていく。最後の直線で抜け出してからも523キロの巨体を力強く躍動。一歩、また一歩と着実に後続を引き離す。勢いは最後まで止まらず、最後は1馬身3/4差をつけて先頭でゴール板を駆け抜けた。

 相棒の首をポンポンッとタッチし、頑張りをたたえた鞍上は「大井は合っていると思っていたので、ある程度のポジションが欲しかったし、リズムを取りながら運んだ。でも流れが遅く、しんどくなった場面もありましたね。なんとか頑張ってくれ!と思いました」と激闘の後の汗を光らせながら振り返った。

 今春、ダートに舞台を転じた5歳馬は才能を開花させ、5戦4勝で頂点に駆け上がった。管理する高木調教師は15年にサウンドトゥルーで制して以来、7年ぶり2度目の制覇。この砂の王を育て上げた名将が「今の勢いなら挑戦する価値がある」と参戦を決断。中山大障害ニシノデイジーに続いて年末の名物レースをものにした指揮官は「スローだったので“あれっ”てなりましたね。折り合いに苦労してそうなところも見られた。でも、ジョッキーが馬のことを分かっていますから。最後は力が入りましたね」と笑みを浮かべた。

 次走は未定だが、ダートのチャンピオンディスタンスで強豪を撃破。長く砂の王座に君臨し、G1・3勝を挙げた厩舎の先輩の背中を追う戦いが始まる。(志賀 浩子)

 ウシュバテソーロ 父オルフェーヴル母ミルフィアタッチ(父キングカメハメハ)。美浦・高木登厩舎所属の牡5歳。北海道新ひだか町・千代田牧場の生産。通算27戦7勝(うち地方1戦1勝)。総獲得賞金は2億1988万4000円(うち地方1億円)。重賞初制覇。馬主は了徳寺健二ホールディングス(株)。

スポーツ報知

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