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芝に! ダートに! 走りに走ったソダシの全5走 “相棒”今浪隆利厩務員の告白

東京スポーツ
  • 2022年12月30日(金) 18時01分
 2022年はフェブラリーS(3着)から始動してヴィクトリアMで阪神JF桜花賞に続いてGI・3勝目を飾ったソダシ。年間わずか5戦だったが、中身の濃いレースばかりが続いた。そんな激動の一年をソダシにもっとも近くで接し、もっとも愛する担当の今浪隆利厩務員(64)に振り返ってもらった。(インタビュー・難波田忠雄)

――22年の始動戦となったフェブラリーSはダートの猛者を相手に3着でした

今浪 3歳秋に挑戦したチャンピオンズCは12着に敗れたけど、直線で一瞬伸びかけようと反応してくれていたからね。最後は距離もあって止まってしまったけど、マイルならダートでもいい競馬ができると思っていた。脚抜きが良くなって時計勝負になったこともソダシにとってはプラスに働いたね。

――その後は放牧を挟んでヴィクトリアMへ直行

今浪 放牧で馬はリラックスしてストレスは解消できていたけど、なかなか体重が増えてこなくて苦労した。馬体をふっくらさせて調教をしっかりやるためにいつもよりもカイバを食わし込んで調整していた。輸送を挟んでもフェブラリーSと同じ体重(476キロ)で出走ができてレースにはすごくいい状態で臨めた。直線は早めに抜け出して本当に強い勝ち方をしてくれたね。札幌記念後は勝利から遠ざかっていたのですごくうれしかったね。

――その後は札幌記念

今浪 ジャックドールパンサラッサという強力な先行馬がいてレースの組み立てが難しかったんじゃないかな。調整は至って順調でいい状態で出せたけど、いつもより後ろからの競馬になってそのあたりに対応する力がなかったのかな。

――秋は府中牝馬Sから始動

今浪 馬はリラックスしてすごくいい雰囲気で帰厩してくれた。内から抜けてきて勝ちパターンの競馬だったけど、最後はイズジョーノキセキに差されてしまった。勝ち馬はソダシよりも2キロ斤量が軽かったし、目標にされた分もあったかな。ただ、ワンターンの競馬なら1800メートルもこなしてくれたのは収穫だった。着差(アタマ差)が着差だっただけに悔しいレースだったね。

――22年最後のレースとなったマイルCSは3着でした

今浪 いいスタートを切って流れに乗って競馬をしてくれたけど、最後の直線で何度もぶつけられてタイトな競馬になった。それでも我慢して最後はまた伸びてきて根性を見せてくれた。マイルというカテゴリーなら十分に牡馬相手でも戦えるのがわかった。あれだけタイトな競馬になったけど、脚元や馬体に何ら問題なく戻ってきてくれてホッとしたね。

――担当馬ではほかにルビーカサブランカが1月に愛知杯を制覇

今浪 22年はルビーが幸先良く勝ってくれてその後も期待していたんだけど、ゲートの出遅れ癖があってチョイ足らずの競馬が続いてしまった。ただ、前走のチャレンジCは牡馬相手にいい内容で2着。しっかり攻め込んだエリザベス女王杯から中2週での競馬だったけど、プラス6キロと馬体が増えてこの時期になってさらに成長してきた感じだね。23年も愛知杯(武豊とのコンビ)から始動するけど、6歳でもまだ衰えはないし、1年間楽しみにしているよ。

――ほかではドライゼがダート戦線で期待される存在ですね

今浪 牝馬のダート路線で大きなところを狙えると思っているからね。馬体も大きくなってさらにパワーアップしてきた感じだね。23年はいい走りを見せてくれると思うのでファンの方も注目してください。

――最後に抱負を

今浪 ソダシに関しては3歳時に続いてこの1年間、とにかく無事だったのが何よりだった。今後の予定は未定だけど、オレ自身も23年9月で定年を迎えるのでソダシに携われるのも残りわずか。放牧でしっかりと疲れを取っていい状態でレースに出走させてあげるのがオレの役目。それで結果も伴ってくれて無事に牧場(繁殖)へ帰してあげられれば言うことはないね。

☆いまなみ・たかとし 1958年9月20日、福岡県生まれ。名古屋競馬などを経てJRA厩務員へ。内藤繁春、中尾正厩舎を経て2009年3月から須貝尚介厩舎所属。これまでの担当馬はGI6勝を挙げたゴールドシップ、13年阪神JFを制したレッドリヴェールなどでJRA・GI・10勝のスーパー腕利き。現在はソダシのほかにルビーカサブランカを担当。

東京スポーツ

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