2022年4月に2名の新人騎手がデビューした佐賀競馬。移転開設50周年の歴史がある競馬場で
中山蓮王騎手はフレッシュな騎乗を、
山田義貴騎手は佐賀版
有馬記念とも言われる
中島記念で2着など活躍を見せます。
「若手騎手が増えてレースがさらに面白くなった」と言われる佐賀の未来を担う新人騎手2名による対談は、ほのぼのしつつも勝負師の顔が垣間見られます。
(取材・構成:大恵陽子)
◆「僕たちは週5日、晩ご飯やカラオケで一緒」◆
――お二人はそれぞれなぜ騎手になろうと思ったんですか?
山田 父が佐賀競馬の調教師(
山田徹調教師)なので、佐賀競馬は日常的に見ていて、ジョッキーになりたいとずっと思っていました。
中山 僕は小学生の時の体験乗馬がきっかけで乗馬を習っていて、それを生かせる仕事がないかな? と調べて、地元の福岡県から近い佐賀でジョッキーになりました。
――
地方競馬の騎手になるには原則として
地方競馬教養センターで2年間の訓練を受けます。全寮制で厳しいと聞きますが、どんな思い出がありますか?
中山 イ
ベントが思い出に残っています。バレーボール大会とか。
山田 1回もなかったぞ(笑)。
中山 あ、間違えた。野球大会。
山田 チームに分かれて対戦したんですけど、昔、野球をしていたのでヒットを打てました。
中山 僕は足を引っ張っていました(苦笑)。あとはお菓子時間が思い出に残っています。
山田 「お菓子ロッカー」というのがあって、夜の自由時間だけ開けることができるんです。
――体重管理が厳しい騎手候補生ならではのルールですね。デビューをし、初勝利を挙げた時はどんな気持ちでしたか?
中山 がむしゃらに乗っていました。直線で後ろから来ているのは何となく分かっていて、
石川慎将騎手が見えた時は「ヤバイ」と思いましたけど、勝つことができてめっちゃ嬉しかったです。初勝利のレース映像は今でもたまに見返します。
山田 僕の場合は後ろからのレースで、どこから仕掛けようかなと考えていました。残り600mくらいから仕掛けて、3〜4コーナーで「これは交わせるかもしれない! 」という伸びでした。直線に向いた時、先頭を走る(中山)蓮王が見えて、それを差し切って嬉しかったです。
――そうそう、山田騎手の初勝利は同期の中山騎手とのワン・ツーでもあったんですよね。ゴール後、2人でどんな会話を交わしたんですか?
山田 特に会話はなかったです。
――あれ。てっきり同期同士で熱い会話があったのかと(笑)。二人で遊びに行くことはあるんですか?
山田 よく一緒にいて、多いと週5日カラオケや晩ご飯を食べに行っています。曲はあまり分からないので、カラオケではランキング上位の歌から順に歌っています。
中山 僕は肉が好きで、よく食べに行っています。
――山田騎手は佐賀版
有馬記念と言われる
中島記念を
シャンパンクーペで2着など重賞でも存在感を示し、中山騎手は単勝万馬券の穴馬で馬券圏内に5回入るなど、それぞれに活躍しています。これからの目標は?
山田 リーディングを獲ることです。
中山 僕は、ずっと結果を残し続けられるようなジョッキーになりたいです。
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新年の佐賀競馬は1月3日から3日連続開催。1月5日には3歳馬による佐賀
若駒賞が行われます。昨年の勝ち馬
ザビッグレディーや3年前の勝ち馬
ミスカゴシマはのちに佐賀
皐月賞を制するなど活躍。春の3歳戦を占う重要な一戦となっており、見逃せません。2023年も佐賀競馬の「うまてなし」をお楽しみください。
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