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【日経新春杯】JC3着のヴェルトライゼンデ 非凡な成長力を秘めていた父ドリームジャーニーに似てきた/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2023年01月11日(水) 18時01分
 今から12年前、ちょうど前回の卯年にあたる2011年は、池江厩舎所属のヴェルトライゼンデにとって縁浅からぬ年と言えるだろう。父ドリームジャーニーの現役ラストイヤーであり、その全弟オルフェーヴルが史上7頭目の3冠馬に輝いたのもこの年だった。

 卯年といえば、ウサギがピョンピョンと跳躍する姿になぞらえて飛躍が期待される年。屈腱炎による長期休養を乗り越え、不屈のカムバックを果たしたヴェルトライゼンデにとっても、23年はさらなる高みを目指す一年となる。
 そんなヴェルトライゼンデにとって昨年のハイライトとなったのは20年菊花賞(7着)以来のGI挑戦となったジャパンC(3着)だった。

「完璧な競馬でしたね」

 強敵ヴェラアズールシャフリヤールをヒヤリとさせた前走をこう振り返った担当の橋口助手は、次のように言葉を続けた。

「長期休養のあった馬ですけど、その期間での成長が大きかったですね。昔と比べて一瞬の切れが出てきて、競馬の幅が広がったように思います」

 1年4か月ぶりの復帰戦を勝利で飾った鳴尾記念も含め、前々に付けたうえで、切れる脚を使う近走の競馬ぶりは、休養前からのパワーアップを感じさせるもの。明け6歳とはいえ、まだキャリア12戦なら、まだまだ伸びシロがあっても驚けない。

 父ドリームジャーニーは2歳時に朝日杯FSを勝ち、5歳時には宝塚記念有馬記念グランプリ連覇を達成。高いポテンシャルと同時に、非凡な成長力を秘めていた。「この馬にもまだ奥があったらうれしいですよね。復帰してから以前にも増して活気というか、気の強さが出てきました。そういうところも含めて“ドリームジャーニーに似てきたな”とお父さんの担当だった方も言ってくれているんです」

 他馬を寄せ付けないような我の強さ。それは競走馬にとって必要不可欠な闘争心の表れでもある。大きなケガをした後でもそんな闘志を燃やし続けるのは、人間に置き換えて考えても簡単ではないことは容易に想像できようか。記者がヴェルトライゼンデの可能性に期待したくなるのは、そんな側面もあるからだ。

 GII日経新春杯(15日)が行われる中京芝2200メートルは、20年神戸新聞杯で3冠馬コントレイルに0秒3差2着に迫った舞台。実績ある尾張の地を足掛かりに、GIの頂へ脱兎の勢いで上り詰めてもらいたいものである。

(栗東の馼王野郎・西谷哲生)

東京スポーツ

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