失礼を承知で言えば、なかなか手を出せる馬ではない。
東海S(4歳上・GII・中京ダート1800m)に参戦する
マリオマッハー(セ6、栗東・
安達昭夫厩舎)。オープンでは9戦して、昨年の
アルデバランSの5着が最高着順。前走の
ベテルギウスSは休み明けだったとはいえ、1秒1差の12着。重賞で相手強化となる今回、上位争いするのは骨だろう。
ただ、血統を見ると「もしかしたら…」と思ってしまうのも事実だ。母の
ヤマトマリオンは3歳時に
フローラSを制し、5歳時にダートに転じてからも重賞3勝を積み重ねた二刀流の名牝。
とりわけクローズアップしたいのは15年前、08年の
東海Sだ。当時は5戦ぶりのダート戦、しかも直近3戦が2桁着順とあって16頭立ての13番人気だったが、ゴール前で抜け出して快勝。ラジオNIKKEI(当時)の舩山陽司アナウンサーが声を裏返させながら「
ヤマトマリオンだぁ!」と叫んだ場面を覚えているファンも少しはいるかもしれない。
当時の単勝1万220円、馬連16万50円、3連単513万7110円は当然ながらレース史上最高配当だ。当時は5月で2300m、今回は1月で1800m。施工条件は大きく変わったが、細かい話は抜きにしよう。母の記録を息子が塗り替えれば、こんなに面白いことはない。