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【きさらぎ賞】家族経営の牧場がノーブルライジングに夢託す「5月28日だけは競馬場に行きます」

  • 2023年02月02日(木) 11時10分
 北海道・日高の家族経営の牧場が、大きな希望に包まれている。きさらぎ賞で重賞初制覇を狙うノーブルライジング(牡3、美浦・宮本博厩舎)。生産者のスウィングフィールド牧場は19年小倉2歳Sのミントティー(11着)以来となる2回目のJRA重賞チャレンジで、牡馬に限れば初挑戦となる。年々生産馬を増やし、新しい繁殖牝馬の導入にも取り組んでいる宇田昌隆代表(57)に意気込みを聞いた。

──ノーブルライジングが生まれた時の印象は?
「よく覚えています。脚長で見栄えのする馬で、出てきた瞬間に『当たった!』と思いましたからね。馬相(顔)も良かったですし」

──成長の過程で印象に残ったことはありますか?
「1歳の9月頃までうちにいましたが、大きな病気をすることもなく、順調でしたね。ただ、(育成先の)エクワインレーシングさんに移ってから、トレッドミルに入るのをゴネるところがあったみたいで…。実は入厩してからもゲート試験になかなか受からなくて、『競走馬になれないかも…』と言われていたんです。そうなったらオーナーに本当に申し訳ないと思っていましたから、無事にデビューできて本当に良かったです」

──ここまでの3戦を振り返っていかがですか?
「デビューできて、まずはひと安心でしたが、さらに2戦目で勝ってくれて、本当に嬉しかったです。これも宮本先生や厩舎スタッフ、国分恭介ジョッキーのおかげですね。もちろん、最終的にはオーナーが決めることですが、私としてはこのまま国分ジョッキーに乗っていただいて、いずれは大きい舞台に行ければ…。そんな夢を抱いています」

──母のエルミラドールが牧場に来た経緯は?
「18年の繁殖馬セールで吉木伸彦オーナーと会って、『どの馬がいいでしょう?』と聞かれたので、『この馬が今回のセリで一番いいと思います』とオススメしたんです。骨盤を骨折したため未出走でしたが、トールポピーアヴェンチュラフサイチホウオーの全妹という血統馬ですし、お腹の中にはモーリスの子どもが入っていましたからね。すると吉木オーナーが購買されて、うちに預託していただけることになりました」

──他にも良血の繁殖牝馬を多く繋養されていますね。
「吉木オーナーが昨年の繁殖馬セールで購買されたセレブリティ(ウオッカの妹)は、先月26日にサンダースノー産駒の牝馬を生みました。長身の可愛い子ですよ。他にも下河辺牧場さんと縁があって導入することができたクールアイランド(ノットゥルノの姉)、フランスでGIを3勝したマンデシャの妹になるマディラストーンなど、いい馬がたくさんいます。楽しみは尽きませんね」

──まずは今週末、ノーブルライジングが重賞初挑戦です。
「前走の1勝クラスを使う前に『ここでいい走りができれば重賞に…』とは思っていたんですが、本当に使うと聞いた時は驚きました。着順どうこうよりもライジングらしい、末脚を生かす競馬をしてくれれば…と思っています」

──レース当日は競馬場に?
「残念ながら、レース当日が出産予定日の馬がいるので競馬場には行けないんです。でも、吉木オーナーには『(ダービーの)5月28日だけは行きます』とお伝えしているんですよ。実際にそうなってくれれば、こんなに嬉しいことはないですね」

スウィングフィールド牧場】代表は宇田昌隆氏。以前は中期育成牧場だったが、14年から生産牧場に転換した。モットーは「ナチュラルに強くたくましく」。持って生まれた特性を無理に矯正しようとすることなく、良い方向に生かす事を心がけている。主な現役馬はノーブルライジングの他にミツカネプルート(牝4、美浦・清水英克厩舎)、ワンライトスター(牡3、栗東・茶木太樹厩舎)がいる。

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