朝日杯FSで激走を見せたのが
キョウエイブリッサ。直線で内から伸び、17頭立ての16番人気ながら4着に入った姿に驚いた人は多いでしょう。しかし、当時のチャレンジは
ラッキーパンチを狙っていたわけではなく、素質を評価していたからこそのGI挑戦。レース直前に武市調教師が「悔いなく仕上がった」と言ったように、状態面の良さも好走につながったわけです。
デビュー戦はダートで勝ちましたが、レース直後に武市師は「次は芝で」と芝競馬を見据えていました。「調教の感触から芝でというのは思っていました。脚元が固まっていなかったり、ダートでも走れる血統だったこともあってダートでデビューしたけど“これは走る”というのは思っていました」
実際2戦目の1勝クラスの平場では上がり33秒台の脚を使って3着。そして前記の朝日杯4着と感触通りの成長を見せています。
母キョウエイポズナンは武市師が管理していたという、思い入れのある母系。「お母さんは骨折で1戦して引退したのですが、血統もいいし、きょうだいも走っていたので繁殖に上がることになりました」。“競馬はブラッドスポーツ”といわれますが、脈々と受け継がれる血統にはロマンを感じます。「自分が携わった馬の子が走るというのはいいですよね。縁あって初子から声をかけていただいて本当にうれしいです」と師の顔にも笑みが浮かんでいました。
共同通信杯(12日、東京芝1800メートル)は例年以上にハイレベルなメンバー構成。武市師は「朝日杯よりもいいメンバーなんじゃないかって思うくらいの相手ですけど、前走は見せ場十分でしたから。今回も頑張れれば」とうなずきます。
1週前追いは美浦南ウッドで5ハロン67.1-11.6秒。「よかったです。歩様に少し硬さを感じさせる馬なんですけど、追い切りに行ったらいいス
トライドで走れる。1週前としては時計も合格点ですし、順調に来ています」と重賞奪取へ向け、態勢は整いつつあるようです。GI・4着がフロックではないことを示すには申し分ない舞台。再度の好走へ、デビュー勝ちの東京で
キョウエイブリッサが大きく躍動するはずです。
(美浦のブラッドスポーツ陶酔女子・三嶋まりえ)
東京スポーツ