◆第40回
フェブラリーS・G1(2月19日、東京競馬場・ダート1600メートル)
2023年の
JRAのG1開幕戦、
フェブラリーS(東京・ダート1600メートル)は節目の40回目にして、初めて外国馬が出走する。カナダの6歳牡馬、
シャールズスパイトは芝のG1ウィナー。招待競走ではないダートG1に挑戦する本気度を東京競馬場でチェックした松末守司記者が「見た」。
本気度がびんびんと伝わってくる。
シャールズスパイトは小雨の中、東京競馬場のダートコースへ。ゲートから勢いよく飛び出し、1ハロン11秒台を2ハロン刻むなど意欲的な調教。10日に来日し、3日間の馬場入りで環境にも慣れ、落ち着き払った姿が印象的だ。調教を担当する
ハートフィールド調教助手も「輸送疲れも回復したし、ハッピーな様子」と12日にコメントしていたように、この日のゲート試験合格を含め、態勢が着々と整えられている。
昨年4月に芝のメーカーズマークマイルを制し、G1馬の仲間入り。さらに、同11月の
BCマイルでもゴール前で猛追し、2着と芝では文句なしの実績を積み上げてきた。ただ、ダート実績はない。しかも、
フェブラリーSは招待レースではないため当然、自腹での挑戦。自国の厩舎から58時間40分の長旅をこなす厳しい条件での来日だが、そこまでしても挑戦する明確な理由がある。
陣営は今回の参戦の目的を、ダートG1の勝利、引退後の種牡馬としての価値を日本の生産界にアピールすることの二つを挙げている。馬主のチャールズ・フィプケ氏は19年セレクトセールで落札した
カナテープ(牝4歳、美浦・堀厩舎)を日本でデビューさせている。さらに繁殖牝馬も所有するなど、日本の競馬界にも進出。同馬の活躍が今後の自身のキャリアにも影響してくるだけに、3月のドバイ・ターフに転戦する予定があるとはいえ、勝ちにきていることは間違いない。
外国馬の
フェブラリーS参戦は史上初。ダートG1の勝利は
ジャパンCダート時代の03年
フリートストリートダンサーのみ。高い壁が立ちはだかるが、陣営の
ファイティングポーズからは歴史を変えるだけの可能性を感じずにはいられない。(松末 守司)
スポーツ報知