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福永祐一騎手「最高のジョッキー人生でした」JRA最終騎乗を終えセレモニーで涙 

スポーツ報知
  • 2023年02月20日(月) 06時15分
 調教師に転身するため今月末で現役を引退する福永祐一騎手(46)=栗東・フリー=が19日、東京競馬場で7鞍に騎乗して1勝を挙げ、JRA通算1万9497戦で2636勝を積み重ねてきた日本での最終騎乗を終えた。全レース終了後に芝コース上で行われたセレモニーでは、「最高のジョッキー人生でした」と大勢のファンに感謝の思いを伝えた。現役最終週はサウジカップデー(25日)の開催されるサウジアラビアに飛び、いよいよラストライドの時を迎える。

 うれしさも悔しさも数え切れないほど味わった。それでも福永の胸に去来したのは、忘れられないファンの姿と声援だった。JRA最終騎乗を終えてのセレモニー。1万人あまりのファンが見守るなか、東京競馬場の景色について質問されると目頭が熱くなった。「変わらず最高でした。お客さんのいない時も、無観客のダービーもありましたけど、それでも…。すいません。最高でした。最高のジョッキー人生でした」と、声を震わせて涙を浮かべた。

 18年にワグネリアンと19回目の挑戦でつかみ取った悲願の日本ダービー初制覇。20年はコントレイルとのウィニングランで無人の観客席に深々と頭を下げた。21年はシャフリヤールで連覇するなど3度のダービーを含め、府中での栄光の記憶はひとしおだった。その思い出深いコースで、9RのヒヤシンスSペリエールで1番人気に応えて日本最後の勝利をつかんだ。直線で先頭に躍り出ると、だんだんと拍手が巻き起こり、ゴール板を過ぎると競馬場全体が自然と一体感に包まれた。「(拍手は)聞こえてましたよ。次に乗れないジョッキーに騎乗依頼をいただけたのは、当たり前のことではない」。駆けつけた師匠の北橋修二元調教師や家族とともに口取りもさせてもらい、関係者への感謝を深く胸に刻んだ一鞍となった。

 現役最後のG1騎乗となったフェブラリーSは、オーヴェルニュと挑んで12着に終わった。最終レースも5着で終えて、「悔い、後悔は先ほどのレースでもありますし、尽きなかったですけど、未練は一つもありませんでした。騎手という仕事を味わい尽くせたのかなと感じています」と、やりきった充実感にも浸った。

 ラストライドとなるサウジアラビアでは2鞍に騎乗する予定で、リヤドダートスプリントにリメイク、サウジダービーにエコロアレスで挑む。セレモニー後の取材では、「そこは全て終わったわけじゃなく、気は緩んでいない。最後までいただいた騎乗依頼を、いい結果で応えることに全力を尽くして、騎手を全うしたい」と勝負師の顔に戻った。中東の地でユーイチが集大成を見せる。(坂本 達洋)

◆福永に聞く

 ―東京競馬場で日本での最終騎乗を終えて。

 「どの競馬場でもたくさんのお客さんがいて、改めて日本の競馬は最高だなというのをG1のファンファーレの時の拍手を聞いて思いました」

 ―セレモニーでは柴田善臣騎手武豊騎手から花束を贈られた。

 「順番が違うだろ、と言われました(笑い)。自分もけっこういいおじさんなんですけど、僕よりおじさんのお二人に花束をもらったのは複雑な気持ちでした」

 ―東京競馬場は日本ダービーなど多くの思い出がある。

 「ここの競馬場でG1を勝つと、最後にたくさんのお客さんに迎えられる形になるので、最高なんですよね。ほんと、ジョッキーの醍醐(だいご)味の一つというか、大きなやりがいを、この東京競馬場と皆さんに与えていただきました」

スポーツ報知

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