サウジカップデー(25日、キングアブドゥルアジーズ競馬場)の騎乗を最後に引退する
福永祐一騎手(46)=栗東・フリー=は、現役最後の5年間で一気に騎手歴代2位となる
日本ダービー3勝を挙げた。タッグを組んだ
藤原英昭調教師(57)=栗東=が、戦友に「餞(はなむけ)」を寄せた。
福永は21年、藤原調教師が管理する
シャフリヤールで騎手史上3人目の
日本ダービー連覇を成し遂げた。
JRA通算2636勝のうち藤原厩舎とのコンビで148勝。北橋修二厩舎での146勝を上回る。一方、藤原師にとっても、厩舎に最も多くの勝ち星をもたらした騎手が福永だ。「短い言葉じゃ、今までの道のり、プロセスは語り尽くせない。それほどの長い歴史がある」。簡潔な言葉に絆の強さをにじませた。
96年のデビューから所属した北橋厩舎の解散に伴い、福永は06年3月からフリーとなった。騎手人生の“岐路”に立った時に門を叩いたのが、馬術技術の高いスタッフがそろう藤原厩舎だった。当時すでに
JRA・G1・11勝の実績を重ねていたが、積極的に調教にまたがり、とことん技術を磨いた。引退までトップジョッキーとして活躍を続けられた大きな理由のひとつだ。
調教師への転身に、藤原師は「祐一らしく、
JRAを背負うぐらいの気持ちでやってほしいね」と短くエールを送るにとどめた。二人の間に多くの言葉は要らない。今後も温かい目で見守っていく。(戸田 和彦)
◆藤原 英昭(ふじわら・ひであき)1965年6月29日、滋賀県生まれ。57歳。01年3月に開業。
JRA通算830勝で、重賞は61勝(うちG1はダービー2勝を含む11勝)。
スポーツ報知