大物は遅れてやってくる。兄姉に3頭のG1馬がいる良血
グランヴィノスが
皐月賞切符を懸け「第60回
弥生賞ディープインパクト記念」(3着まで
皐月賞優先出走権)に照準を合わせてきた。キャリアの浅さが影響したのか、昨秋の前走・
京都2歳S(6着)が案外ながら、あの1戦だけで評価を下げる必要はない。巻き返しを期して冬場に乗り込みを重ねた。ダービー3勝を誇る友道厩舎期待の素質馬が再スタートを切る。
混戦模様の牡馬クラシック戦線に新星が誕生した。先週
すみれSは未勝利勝ちを
ステップに参戦した
シャザーンが圧巻の末脚を繰り出しV。16年
マカヒキ、18年
ワグネリアン、22年
ドウデュースでダービー3勝を誇る友道厩舎の素質馬が頭角を現した。僚馬に続けとばかりに、この
皐月賞トライアルに参戦するのが
グランヴィノスだ。厩舎の先輩でもある
ヴィルシーナ(13&14年
ヴィクトリアマイル)、
シュヴァルグラン(17年
ジャパンC)、
ヴィブロス(16年
秋華賞、17年
ドバイターフ)と兄姉3頭がG1勝ちの良血。大江助手はこの血統について「レースに行くとスイッチが切り替わって、いい意味で戦闘モードになります」と共通点を挙げ、
グランヴィノスも「奥手のタイプではあるけどダイナ
ミックな動きでポテンシャルが高いのは間違いない」と期待十分だ。
デビュー戦で非凡な切れ味を発揮しながら、前走・
京都2歳Sが6着。大江助手は「ジョッキー(川田)が本馬場で返し馬に行った時に攻め馬とは違う感じというか、
バランスの崩れを感じたみたいで、その予感が当たってしまってレースで動けなかった」と振り返る。その点を踏まえ、調整を進めた。1週前追いはCWコース6F81秒6〜1F11秒4。3頭併せの真ん中から抜け出し、躍動感のある動きを見せた。「子供っぽい面が残っていて、ガラッと変わった感じはしませんが、順調に来ていますよ。最終追い切りはジョッキーに乗ってもらう予定」と話すように臨戦態勢は整いつつある。
初の中山、長距離輸送については「若い馬なので環境の変化でうるさくなったり、キョロキョロする面があります。広いコースの方がいいとも思います。ただ、レースでは集中するタイプだし、大丈夫だと思います」との見立て。クリアすべき課題は多いが、陣営が手応えをつかんでいるのは事実。「僕らはこの馬の能力を信頼していますし、少しずつ走りがしっかりしてきたので」。名門厩舎ゆかりの良血が今週もクラシックの主役候補に名乗りを上げる。
スポニチ