皐月賞トライアル「第60回
弥生賞ディープインパクト記念」が5日、中山競馬場で行われ、3番人気
タスティエーラが好位から抜け出して重賞初制覇。15年の覇者
サトノクラウンとの父子制覇を決め、父に産駒の重賞初制覇をプレゼントした。
松山弘平(33)と
堀宣行師(55)のコンビは先週の
中山記念に続く2週連続重賞ジャック。3着
ワンダイレクトまでが
皐月賞(4月16日、中山)の優先出走権を手にした。
父
サトノクラウンにそっくりの勝ちっぷりだ。4角で好位の外に取り付いた
タスティエーラ。直線を向くとギアが素早く上がって、あっという間に先頭だ。父と全く同じ。内から
トップナイフ。外から
ワンダイレクト。しかし、長くいい脚を使って1馬身押し切った。まるでVTRと言いたくなる父子V。父に
JRA初重賞をプレゼントした。松山は「自分から動いて勝ちに行く競馬ができた。素晴らしい馬」と相棒の素質を絶賛した。
中2週での挑戦は堀厩舎としては異例だった。古馬となり、心身ともタフになってからなら例もあるが、3歳春に連続重賞で中2週は珍しい。細心の注意を払いつつ、それでも攻めた。2月26日は美浦坂路で併せ馬。1日の最終追いでもWコースで3頭併せ。クラシック戦線への並々ならぬ執念を感じさせた。キャロット
ファーム秋田博章代表は“強行軍”での勝利に興奮。「前走(
共同通信杯4着)は切れ負けして賞金を加算できなかったから、ここを使った。前向きさがあるところが、この馬のいいところ。3〜4コーナーで勝てるかなと思った。もう少し距離があっても抜かれなかったんじゃないかな。やはり力があると再認識した」。先週の
中山記念では熱中症で一時は生死の境をさまよった
ヒシイグアスを復活Vに導いた堀厩舎。マジックがまたもさえた。
弥生賞を最少キャリアの3戦目で制した先輩には01年
アグネスタキオン、05年
ディープインパクト、15年
サトノクラウン、16年
マカヒキがいる。まさに名馬ぞろい。
タスティエーラに輝かしい未来が待つことは、ほぼ間違いない。秋田代表は「
皐月賞は状態次第かな。無理はしたくない。最終目標はダービー(5月28日、東京)。距離は全く問題ない」。父と同じ道を歩むのはここまで。15年のダービーで
ドゥラメンテの前に3着に終わった父を大舞台で超えてみせる。
タスティエーラ 父
サトノクラウン 母パルティトゥーラ(母の
父マンハッタンカフェ)牡3歳 20年3月22日生まれ 美浦・堀厩舎所属 馬主・キャロット
ファーム 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績3戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金6772万8000円。馬名の由来はイ
タリア語で(楽器の)
キーボード。母名(イ
タリア語で楽譜)からの連想。
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