春のG1開幕戦「第53回
高松宮記念」の出走馬が23日、確定した。出走メンバーで唯一、木曜追い切りを行った
ファストフォースは
団野大成(22)を背に坂路で素軽い動きを見せ、併走馬に2馬身先着。4F53秒1〜1F12秒0の好時計で駆け上がり、人馬初のG1制覇へ態勢を整えた。枠順は24日に決定する。
進化した
ファストフォースの走りは追い切りにも表れていた。団野を背に坂路で
オリンピックデイ(5歳1勝クラス)の2馬身後方からスタート。僚馬の真後ろで脚をため、残り300メートルで内に持ち出して馬体を併せていく。鋭く加速して抜き去るとラスト1F12秒0の好時計で2馬身先着。鞍上は「自分からハミを取って進んでいたし反応も良かった。雰囲気は良かったです」と感触を口にした。
最終追いを木曜に選択したのは前走の
シルクロードS(2着)と同じ。担当の川又助手は「前走は雪の影響で、たまたま追い切りを1日スライドして木曜にしたら良かったので同じパターンにした」と説明する。振り返れば昨秋の
セントウルS(2着)も木曜追いで好走した。追い切り後に中2日の間隔でレースに迎える調整過程は合っている。
追い切り後にプールに入るのも調教のルーティン。同助手は「リフレッシュも兼ねて入れていますが、泳ぎは上手ですよ」と笑みを浮かべる。「太りやすいので体重には気をつけて、ずっと同じメニューでやっています」。追い切り後の馬体重は528キロ。オープンクラスで馬券に絡んだ5回の馬体重518〜528キロの範囲で出走できそうだ。
キャリアを重ねて戦法も変わってきた。以前は前に行って粘り込む
スタイルだったが、近3走は上がり3F33秒台の末脚を発揮。前走は自身最速の上がり33秒1で勝ち馬
ナムラクレアと頭差の接戦を演じた。団野は「どこかで息を入れて運びたいので追い切りでもその形になるようにしています。それが馬に合ってきましたし、しまい(の脚)にもつながっている」とパートナーの進化を口にした。
デビュー5年目の鞍上は
JRA・G1に9回騎乗して21年阪神JF2着(8番人気
ラブリイユアアイズ)が最高着順。今回も伏兵での参戦となるが「チャンスはあると思っていますし、いいレースができれば」と初のG1獲りに燃えている。
《人馬一体の悲願へ今年は団野の番!?》近年の
高松宮記念は騎手のG1初制覇がトレンドだ。20年は
モズスーパーフレア騎乗の松若が繰り上がりV(1位入線の
クリノガウディーは4着降着)。昨年はG1未勝利騎手による激しい追い比べになり、丸田→岩田望→菊沢→鮫島駿の順で上位4着までを占めた。団野もこの波に乗ってG1タイトルをつかみ取るか。
スポニチ