これが日本の
年度代表馬だ。25日(日本時間同日深夜)、UAEであったドバイ国際競走(メイダン)の
ドバイシーマクラシックで海外デビューを果たした
キタサンブラック産駒
イクイノックス(牡4=木村)が逃げて3馬身半差の快勝。昨年の
天皇賞・秋、
有馬記念に続き、国境を超えたG1・3連勝で世界中のファン、ホースマンに存在感を示した。この日、日本馬は6競走に計26頭が出走。UAEダービーの
デルマソトガケ、ドバイワールドCの
ウシュバテソーロを合わせ、3勝した。
天才は天才だった。海を渡った
年度代表馬イクイノックスの瞳に他馬は映らなかった。7戦目にして初の逃げ。ルメールは「彼が最高な馬であることは知っていた。自分でペースをつくれてハッピーだった」と振り返る。抜群の手応え。直線に入っても鞍上の手綱は動かない。直線半ばで早々にルメールが拳を握る。2着
ウエストオーバーに3馬身半差。「僕がシーマクラシックを勝つのは、2週間前に亡くなった
ハーツクライ以来。彼に敬意を表する機会を与えてくれた
イクイノックスに感謝したい」。その06年
ハーツクライ以来、17年ぶりの逃げ切りVを決め、ルメールは感慨深げに天を指さした。
決して順風満帆な世界デビューではなかった。激走の
有馬記念の疲れか、走りの
バランスがなかなか整わない。木村師は「背腰や尾の付け根の筋肉が膨らんでこなかった」と明かす。レース当日まで懸命に手を打ち続けたが、不安は残っていた。しかし、「装鞍所からパドック、返し馬へ向かうにあたって一気に“仕事をしてきます”という感じにスイッチが入った」という。
国内外のG1を3連勝。師は「子供から手紙をもらって。頑張って描いた絵や切り絵だったり見るとね…。何とか日本のファンの皆さんを喜ばせたい思いは強かった」と安どの表情を浮かべた。世界中のホースマンが注目する今後については「個人的にはアメリカ、ヨーロッパに行きたいという思いはあるが、まずはオーバーホールさせてあげたい」と休養を示唆。馬主シルクレーシングの米本昌史代表は「今後は日本に戻ってから先生と相談します。世界中のレースがオプションになってくる」と展望した。世界が天才を認識したドバイの夜は伝説の序章に過ぎない。
▼5着
シャフリヤール(C・デムーロ)少しスタートが遅く、中団後方からに。外を回りたくなかったのでロスなく運んだけど去年ほどの反応はなかった。
▼6着
ウインマリリン(レーン)ラチ沿いで上手に進められたが最後はあまり伸びなかった。いずれにせよ、
イクイノックスが強すぎました。
スポニチ