「
大阪杯・G1」(4月2日、阪神)
態勢は万全だ。
マリアエレーナの最終追いは、栗東CWで単走。小柄ながらも力強いフットワークで、ラスト1Fは11秒3とシャープに伸びた。前走の
金鯱賞は8着に終わったものの、直線で前が壁になって脚を余す不完全燃焼な形。スムーズに運べれば一発のチャンスは十分にある。
芦毛の馬体と黄色のバンテージが、気持ち良さそうに弾んだ。
マリアエレーナは栗東CWで、吉田厩舎恒例の火曜追いを敢行。1周目は軽めのキャンターで脚慣らしを行い、2周目は外ラチ沿いへ。鞍上が手綱を押すと、420キロ台の小柄な馬体を目いっぱいに使い、真一文字に伸びて6F81秒7-36秒6-11秒3を刻んだ。
中2週を感じさせない攻めの調整で、仕上げを進めた。牝馬にはハードに思える内容だったが、吉田師は「
ボチボチじゃないですかね。状態はいいですよ」と涼しい顔。高島助手も「いつも通りですよ。しまいもしっかりやれば動く馬。反応も良かったです」と納得の表情だ。
他厩舎には例の少ない火曜追いだが、同助手は「レースまで間隔が取れるのもあるし、1日長く競馬までどう取り組むのかを考えられる」と利点を強調する。「この馬はずっとこの形でやってきたし、このパターンで勝ってきましたから。馬が賢くて、レースまでに自分で動ける体をつくってくれるので」。ケアや微調整により多く時間が割けることで、厩舎が思い描く調教が可能となっている。
前走は8着に終わったが、直線で包まれて力を出し切れなかっただけだ。混戦模様のメンバー構成なだけに、指揮官の「“スムーズに力を出せれば負ける気はしません”と書いておいてください」という強気な言葉もハッタリには聞こえない。右回りの二千は、
小倉記念を5馬身差で圧勝した設定。一発の魅力は十分に秘めている。
提供:デイリースポーツ