「
桜花賞・G1」(9日、阪神)
日本の世界一奪還で幕を閉じたWBC。当コーナーでは過去のWBCイヤーにおける桜の
ヒロインをピックアップし、これまでの歴史を振り返る。第1回は06年覇者
キストゥヘヴンだ。
デビューから3戦勝ちあぐね、初勝利は3月5日だった
キストゥヘヴン。そこから中1週で制したフラワーCが戸田師にとっての重賞初勝利となった。“さあ
桜花賞”と喜びに浸るなか、初陣Vに導いた安藤勝己騎手のエージェント(騎乗依頼仲介者)から連絡があったという。
「初めて乗った時から評価がすごく高くて。『乗り馬が決まっていないから、その時はぜひ』と言われていたのです。アンカツさんも笠松時代に悔しい思いをしたレース、
桜花賞には何とか勝ちたい気持ちがあったのだと」。初勝利からわずか35日目で桜の舞台へ向かうことになった。
押せ押せのローテだったが、ここで陣営が取った策は異例の火曜追い。「中2週で体もない馬なので、どうしても金曜に輸送をしたかった。競馬前に少しでもカイバを食べさせたくて」。土曜朝は師が自らまたがってスクーリングを行い、決戦へ向かった。
レースは
アサヒライジングが後続を引っ張る流れ。後方で脚をためると、直線は大外を回って末脚比べに。馬場の真ん中を通って伸びる1番人気
アドマイヤキッスを目掛けて追い上げ、残り50メートルで抜け出すとアンカツの右手が上がった。6番人気での勝利だった。
キストゥヘヴン-
アドマイヤキッスの“キス馬券”。戸田師は直線の攻防を振り返り、こんな余談を語ってくれた。「興奮して『キス!キス!』と叫んでいたら、
アドマイヤキッスを管理する松田博資先生の奥様が『ウチの馬を応援してくれていると思っていました』って(苦笑)」。
提供:デイリースポーツ