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【桜花賞】リバティアイランド、異次元の末脚でまず1冠 川田将雅騎手ハープスターで果たせなかったオークスV今度こそ

スポーツ報知
  • 2023年04月10日(月) 06時15分
◆第83回桜花賞・G1(4月9日、阪神競馬場・芝1600メートル、良)

 第83回桜花賞は9日、阪神競馬場の芝1600メートルで開催され、単勝1・6倍の圧倒的1番人気のリバティアイランドが、次位に0秒7もの大差をつける最速の上がり32秒9で後方16番手から差し切り、昨年末の阪神JFに続くG1・2勝目を挙げた。前年の最優秀2歳牝馬の戴冠は11頭目で、川田将雅騎手(37)=栗東・フリー=は6人目の桜花賞連覇。史上7頭目の牝馬3冠へ向け、最強タッグが順調に一歩を踏み出した。

 仁川の直線に衝撃が走った。馬場の真ん中を、リバティアイランドが“音速”の末脚で突き抜けた。内、先行有利な馬場状態も何のその。後方一気に他馬をのみ込んだ。異次元。まさにこのフレーズがふさわしい上がり32秒9のドラマ。3冠牝馬の誕生を期待させるには、十分すぎるパフォーマンスだった。

 「彼女自身がみんなをハラハラさせる競馬をしたくてこういう形にはなりましたが、無事に結果を得てくれた」。デビューから4戦連続コンビの川田が、パートナーの能力を信じ抜いたからこその結末だった。ゲートでやや後手に回り後方から。4角は16番手で直線に向いた。届くのか―。不安交じりのファンのどよめきはしかし、間もなく歓声へと変わる。先頭でゴールを駆け抜ける姿は涼しげだった。

 最近20年の桜花賞では、G1・7勝の名牝ウオッカ(07年2着)も含め、単勝1倍台の圧倒的人気を集めた7頭のうち5頭がV逸。「1強」は必ずしも「盤石」を意味しなかったが、そんな負のジンクスも悠然と吹き飛ばした。「心臓に良くない内容だったので、次はもう少し心臓に優しいレースをさせたい」。中内田調教師も苦笑いを浮かべつつ、愛馬の無限の可能性を感じ取った。

 川田はレース後、余韻に浸ることなく、すぐに視線を前に向けた。「余力を残しながらここを通過したかった。距離が一気に延びますし、この競馬がオークスに生きることを期待しています」。見据えるのは2冠、そして秋の史上7頭目の牝馬3冠。14年Vのハープスター(オークス2着)で成し遂げられなかった“忘れ物”がある。「僕の経験も浅くて、桜花賞しか取れなかった。ハープで取ることができなかったその後のG1をしっかり取っていけるよう、一戦一戦、順調に歩んでいければと思います」。9年前に果たせなかった夢を、リバティアイランドとともにかなえる。(戸田 和彦)

 ◆リバティアイランド 父ドゥラメンテ母ヤンキーローズ(父オールアメリカン)。栗東・中内田充正厩舎所属の牝3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算4戦3勝。総獲得賞金は2億5204万6000円。重賞2勝目。主な勝ち鞍は22年阪神JF・G1。馬主は(有)サンデーレーシング。

スポーツ報知

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