◆第83回
皐月賞・G1(4月16日、中山競馬場・芝2000メートル)
第83回
皐月賞・G1は16日、中山競馬場で行われる。昨年の2歳王者2頭が不在で、11年の初参戦から牡牝の3冠路線で圧倒的な存在感を見せてきた
ディープインパクト産駒もついに消えた。確たる主役候補がいない群雄割拠の3冠初戦を、東京本紙予想担当の西山智昭記者が種牡馬の観点から展望する。
今年の
皐月賞は難解だ。2歳王者(
朝日杯FS=
ドルチェモア、
ホープフルS=
ドゥラエレーデ)のエントリーがなく、牡牝クラシックで長年、主役を張ってきた
ディープインパクト産駒がゼロ。この2要素が混戦の要因だが、日本の競馬界を支えてきた偉大な種牡馬の出走なしは、新時代への転換期とも言える。
フルゲート18頭にたいして種牡馬13頭という状況が“戦国
皐月賞”をよく表しているが、今年の最大勢力は
ロードカナロアだ。自身は短距離で圧倒的なスピードを武器に活躍したが、産駒は19年に
サートゥルナーリアが
皐月賞を制覇。G1を9勝した名牝
アーモンドアイも送り出すなど、産駒の活躍は幅広い。
無傷3連勝で重要
トライアルの
スプリングSを制した
ベラジオオペラは1番人気に支持される可能性もある素質馬。他にも
朝日杯FS2着の
ダノンタッチダウン、
すみれS(リステッド)を制した
シャザーンの強力3頭出しで、4年ぶりVがかかる。
同じく3頭出しの
シルバーステートは現3歳が2世代目。昨年は
ウォーターナビレラが
桜花賞2着といきなり初年度からクラシックで結果を出し、今回は
若葉Sの1着
ショウナンバシット、同2着
ラスハンメルに、
スプリングS3着の
メタルスピードが出走予定。
ディープインパクトの直系種牡馬として真価が問われる一戦だ。
昨年の
年度代表馬イクイノックスを出した
キタサンブラックは、今年も大物候補の
ソールオリエンスがスタンバイ。前走の
京成杯でみせた衝撃の走りを、異例のローテーションで再現できるのか。また、報知杯
弥生賞を勝った
タスティエーラを送り込む新種牡馬
サトノクラウンは自身、15年に1番人気に支持されて6着。父の無念を息子が晴らすドラマが生まれるのかなど、多彩なメンバーで難解な一方、見どころも多く予想のしがいのある一戦だ。(東京本紙予想担当・西山 智昭)
スポーツ報知