いわずもがな三冠クラシック第1弾。中山競馬場の2000mコースを舞台に完成度の高さとレースセンス、スピードを競う。と、同時にダービーの前哨戦的位置づけでもあり、近年は牝馬戦線同様、前哨戦を最小限に抑えて挑む馬が多くなった。その結果が力関係が微妙で難解だ。今年の場合で言えば重賞2勝馬がいない組み合わせ。以前のように使い込む馬はいないので、キャリア不足はどの馬にとっても似たような条件になりそうだ。大きなマイナスをする必要はなさそうだ。
◎
ダノンタッチダウンは
朝日杯FS2着馬。母は仏国の重賞勝ち馬で、半兄に
ダノンザキッド、
ミッキーブリランテ。レベルの高い血統だ。大きな体を持て余すように
デイリー杯2歳S、そして朝日杯ともダッシュ鈍く、後方からのレースになったが、いずれのレースもメンバー最速の末脚に追い込んだ。厳寒期は休養に充てて、ここが3歳シーズン初戦。どこまで成長しているかも楽しみで、
皐月賞1番人気で敗れた半兄
ダノンザキッドの仇を討ちたいところだ。
〇
ベラジオオペラは
スプリングS優勝馬。新馬、
セントポーリア賞は先行策から抜け出したが、前走は一転して後方で脚を溜めると、最後は大外からきれいに差し切った。3戦3勝はいずれも違う競馬場で、馬場状態もすべて異なる条件だったが、それをはねのけた。もう少し内目の枠を引きたかったところだろうが、レースセンスの高い馬だけにリカバリーして欲しい。
▲
フリームファクシは
きさらぎ賞の優勝馬。デビュー戦でクビ差敗れた相手は、のちに
ホープフルSで1番人気に指示された素質馬で、当時の3着馬は京都2歳Sに勝つ
グリューネグリーンだった。500kgを超える大型馬で、半姉に
ディアドラがいる血統馬。荒れた馬場も苦にしなさそうなのが心強い。
△
ソールオリエンスは
京成杯の優勝馬。逆手前のまま4角を回って膨れたが、最後の伸びは強烈だった。まだ多頭数競馬を経験していないのは、最内枠を引き当てただけにややマイナスだが、血統的にも距離伸びて良さそうで豊かな将来性を感じさせる1頭だ。
△
ファントムシーフは
共同通信杯の優勝馬。
ホープフルSは
野路菊Sから10kg増の馬体重で素軽さを欠いたが、前走は優れた先行力、レースセンスを見せた。この馬も距離伸びて良さそうなタイプだが、過去10年で5勝という
共同通信杯からの直行ローテーションは魅力だ。今回は逃げ、先行馬が多い組み合わせ。荒れた馬場での決め手勝負となれば△
マイネルラウレア、△
シャザーンも浮上してくるかもしれない。