先週4月22、23日の福島で2日連続勝利。
古川奈穂騎手(22)=栗東・
矢作芳人厩舎=は、今年7勝をマーク(以下、数字はすべて4月25日終了時点)。21年の6勝、22年の4勝を上回るペースで白星を積み上げている。4月9日の阪神6Rで5勝目をマークするまで約2か月未勝利。「着差のないレースもありましたし、勝ち切れるようにならないといけない」と苦しい時期を乗り越え、再び勢いに乗っていきそうな雰囲気だ。
3年目の飛躍へ。数字をひもとくと、本人の努力が実を結んできたことが分かる。ここまで今年は35厩舎の管理馬で97レースに参戦。21年の27厩舎で74レース、22年の21厩舎で78レースを大きく上回る。また勝ち星も、21年が2厩舎(矢作、中竹厩舎)、22年が1厩舎(矢作厩舎)だったのに対し、今年は5厩舎(牧浦、矢作、角田、大橋、羽月厩舎)でマークしている。
「自厩舎の馬で、もっと勝たないといけないと思っています」と反省も忘れないが、昨夏は北海道に滞在し、今年始めには約2か月間、小倉へ。「まずは、滞在していることを知ってもらわないといけない。調教だけでも乗せてもらえたらと思って」と小まめに他厩舎へあいさつ回り。「確実にプラスになっていると思います」と徐々に人の輪を広げてきたことで騎乗数が増え、勝ち星にもつながっている。
また、穴党には見逃せないデータも。今年のここまでの単勝回収率は194%。特にダート戦では、343%に跳ね上がる。騎乗馬の平均が7・9番人気とそれほど高くないため、4キロの減量を生かした一発の魅力を秘めた騎手でもある。
今週から始まる新潟にも積極的に遠征し、今年も夏は北海道に滞在する予定。「以前は焦ってしまうことが多かったですが、ひと呼吸置いてまずは冷静に。乗り方も、少しずつ安定してきた感覚はあります」と手応えをにじませた古川奈騎手。これまで以上の活躍を期待したい。
(
中央競馬担当・戸田 和彦)
スポーツ報知