ダービーと同じ舞台で行われ、上位2着馬までにダービーへの優先出走権が付与される
トライアルレース。ただし、本レースを
ステップにダービーを制した馬はなく、
フェノーメノや
ウインバリアシオンなど2着馬が5頭いるのみ。開幕して間もない馬場状態と、権利を取りたい馬が早めの競馬をする分、瞬発力よりも持久力が求めるレースになることが多い。今年は15頭立てで1勝馬が11頭。激しい出走権争いになりそうだ。
◎
ハーツコンチェルトは中京競馬場芝2000m新馬戦優勝馬。この時は互角のスタートから後方に控えたもののペースが緩いと判断するや、途中でポジションを上げ、最後は独走。操作性の高さとスケールの大きさを見せつけた。
続く東京スポーツ杯2歳Sは最後方待機から直線だけの競馬で3着。スローペースに泣かされた
ホープフルS7着のあとの前走は休み明けで馬体重12kg増。ゲートは普通に出たのだが、二の脚がつかずに後方に置かれ、そのまま外から追い上げた分、やや伸びを欠いたのは休み明けか。
ハーツクライ産駒で500kgを超える大型馬。小回りコースよりも広いコースに向きそうで、東京競馬場2400mコースは持ち味を生かすには適した舞台。左回りもプラス材料と判断してここは中心視したい。
〇
スキルヴィングはゆりかもめ賞の優勝馬。この時の2分24秒8という勝ちタイムは秀逸だ。昨年10月のデビュー戦は敗れたとはいえ
エエヤンに先着する2着。2戦目に勝ち上がり、前走はのちに
アザレア賞に勝った
サヴォーナ相手に3馬身差の圧勝だった。
キタサンブラック産駒の大型馬で、強烈な瞬発力が武器。潜在能力は相当高そうだ。
▲
アームブランシュは東京競馬場芝2000m戦を勝ち上がり、
弥生賞ディープインパクト記念はメンバー最速の末脚で4着。前走の
山吹賞は中山外回り2200mの少頭数競馬で、最後方から追い上げたものの前も止まらず3着だった。勝ちきれないもどかしさもあるが、どんな相手、どんな展開でも上位争いに顔をのぞかせる堅実性ともいえる。3代母が
ダイナアクトレスで
キズナ×
キングカメハメハの組み合わせで瞬発力というよりも持久力タイプと思われる。広いコースは味方してくれそうだ。
△
グランヴィノスは阪神競馬場芝2000m新馬戦優勝馬。このときは半マイル通過51.1秒、前半1000m64.0秒のスローペースを後方待機。途中でポジションを上げて、最後は推定33.8秒の末脚で突き抜けた。1番人気に支持された京都2歳Sはやや力んだような走りでキャリアの浅さを露呈させてしまったが、半姉に
ヴィルシーナ、
ヴィブロスなどがいる
キタサンブラック産駒の大型馬。長い目で見たい。
あとは、未勝利戦を勝ち上がったばかりだが、前走の内容が圧巻だった△
アサカラキングと、使われながら決め手に磨きをかけてきた△
サヴォーナのレースにも注目したい。