◆第30回
青葉賞・G2(4月29日、東京競馬場・芝2400メートル)
日本ダービートライアルの第30回
青葉賞・G2は29日、東京競馬場で行われ、
キタサンブラック産駒の素質馬
スキルヴィングが1番人気に応える3連勝Vで、2着
ハーツコンチェルトとともに頂上決戦の優先出走権を獲得した。鞍上のルメールは「G1ホースだと思います」と絶賛。
青葉賞優勝馬のダービー未勝利ジンクス打破をかけ、同じ父を持つ
皐月賞馬への挑戦に向かう。
強烈すぎる勝ち方に、実況をもかき消すどよめきがスタンドを包み込んだ。
スキルヴィングは道中、11番手の外を追走。ルメールが「安全に乗った」と振り返るように、直線は大外に持ち出した。圧巻はその後だ。残り400メートルまでは持ったまま。新馬戦で土をつけられた
ヒシタイカンと並走していたが、軽く追われると脅威の加速で一瞬にして置き去りにした。上がり3ハロンは最速タイの34秒1。鞍上は「G1ホースだと思う」と最大級の賛辞を送った。
1・7倍の圧倒的1番人気に応える快勝。世代NO1を決める戦いへ、一気に視界が開けた。ダービーで待ち構えるのは無敗の
皐月賞馬
ソールオリエンス。同じ
キタサンブラックの血を引く強敵だが、終盤大きく内によれる幼さを見せつつも勝ち切った
スキルヴィングの底力も、決して見劣りはしない。「だんだん大人になってきているし、ダービーの頃にはトップになると思う」と、名手ルメールの期待も高まるばかりだ。
木村厩舎は昨年、のちの
年度代表馬イクイノックスでダービー2着の苦杯をなめた。今年はその忘れ物を取り返しにいく戦いだ。木村調教師は「まず無事ならば、ですけれど」と前置きしながらも、「勝ちたいですね」と静かに、しかしき然と決意を表した。同舞台で行われる前哨戦ながら過去一度も本番を勝った例がなく、「競馬界の七不思議」とも言われる
青葉賞馬。圧倒的な“スキル”で、その歴史を変える。(角田 晨)
スキルヴィング 父
キタサンブラック、
母ロスヴァイセ(
父シンボリクリスエス)。美浦・
木村哲也厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザン
ファームの生産。通算4戦3勝。総獲得賞金は7402万3000円。重賞初勝利。馬主は(有)キャロット
ファーム。
スポーツ報知