「NHKマイルC・G1」(7日、東京)
秘めるポテンシャルを頂上決戦で解き放つ。華々しくデビュー2連勝を飾りながらも、その後は3連敗と苦しむ
モリアーナ。もどかしい競馬が続いているとあって、陣営は大一番を前に勝負手を打ってきた。3勝、2着6回と抜群のレース相性を誇るベテラン・横山典に鞍上をスイッチ。名手の手綱で6年ぶり6頭目の牝馬戴冠を目指す。
17年
アエロリット以来、6年ぶり6頭目の牝馬Vへ-。
モリアーナが虎視たんたんとチャンスをうかがっている。
前走の
ニュージーランドTを武藤師が振り返る。「道中で脚のたまらないポジションに入っちゃって…。しかも、コーナーは5頭分も外々を回らされた。最悪だよね」。早めにエンジンを吹かして行かざるを得ない形になり、わずかの差で権利を逃した。だが、「(NHKマイルCへの)優先出走権を外した時は憂鬱(ゆううつ)になったけど、結果的に出られて良かった」と巡ってきたチャンスに前を向いた。
中間は在厩で調整。火曜は角馬場で体をほぐしてから、美浦北Cを軽いキャンターで長めに乗った。担当の國吉助手は「元々ここに向けて上げていく感じでやっていました。前走が7割くらいのイメージ。あした(の最終追い切り)も抜群に動くと思うし、トップコンディションに持っていけると思います」と力強くうなずいた。
昨年の
阪神JF(12着)からリズムに乗り切れないレースが続いている。そこで陣営は横山典に騎乗依頼をかけた。99年
シンボリインディ、15年
クラリティスカイ、17年
アエロリットでの3勝は、
武豊と並び最多。〈3・6・2・10〉と複勝率(52・4%)も群を抜いて優秀だ。「指示はしないつもり。とにかく、この馬の力を出し切ってほしいね」と指揮官も絶大な信頼を寄せている。経験豊富なベテランの存在は心強さ満点。名手の華麗なエスコートでG1戴冠を果たす。
提供:デイリースポーツ