07年当レースを17番人気
ピンクカメオで制した
内田博幸(52)は、伏兵
シャンパンカラーで再び波乱の主役を目指す。
07年
NHKマイルCを勝ったのは、ブービー17番人気の
ピンクカメオ。鞍上は当時、公営・大井競馬に所属していた
内田博幸。4角最後方から直線大外に持ち出すと、降りしきる雨を切り裂くように、先行勢を一気にのみ込んだ。それまでにもスポット騎乗した
JRA重賞を勝ってはいたが、このG1初Vでその名は全国に知れ渡った。
内田は「名を売ったレースだったね。自分の気持ちが前に進むレースだった。迷っている時期だっただけに、ひと押ししてくれる勝利だった」と当時を振り返った。04年に初めて南関東騎手リーディングを獲得。以降07年までその座に君臨した。そのまま地方のトップで居続けるのか、それとも中央に打って出るのか。「あのレースだけじゃないけど、大きなきっかけの一つだった。既に安藤勝己さん、
小牧太さん、
岩田康誠が
JRAに移籍していたけど、関東では誰も行ってなかった。やってみたいという気持ちが強かった」。08年3月に
JRA移籍。09年には146勝を挙げ
JRAリーディングに輝いた。
今週の
NHKマイルCで
シャンパンカラーに騎乗する。前哨戦のニュージーランドTでは3着。中団でモマれる苦しい競馬だったが、最後までしっかりと脚を伸ばして優先出走権を獲得した。「苦しい競馬をしたのが今回に生きると思う。抑える競馬で結果が出たのはいい。東京マイルに替わるのもいいので、リズムを壊さず運べれば。相手は強いけど、この馬も能力はある」と内田。人生の転機となったレースから16年。週末は下り坂の予報。再び雨の府中で大仕事が見られるかもしれない。 (鈴木 智憲)
スポニチ