「NHKマイルC・G1」(7日、東京)
シャンパンカラーとコンビを組む
内田博幸騎手(52)=美浦・フリー=にとって、NHKマイルCは思い入れのあるレースだ。中央に移籍する1年前の07年に
ピンクカメオで制し、JRA・G1初制覇を達成。JRAに挑戦する一つの要因となった勝利だ。そのレースに今年は
ニュージーランドTで3着に好走した素質馬と挑む。
内田博の騎手人生の転機に、08年のJRA移籍がある。そのきっかけとなったのが、17番人気の
ピンクカメオで勝った07年NHKマイルCだ。「チャレンジの後押しになったレースであり、馬でしたね。移籍を迷っていた時期でしたからね。大きな要因となりました」と振り返る。
当時は地方のトップジョッキーとして活躍。その立場を捨て、JRA騎手として再スタートを切る。これは大きな決断だった。「どんな結果になろうと、チャレンジしないと後悔すると思いました。不安な気持ちはあったけど、それよりも楽しみの方が大きかったし、やってみたいという気持ちが強かった」。NHKマイルCを勝たなければ、今の内田博はなかったかもしれない。
今回、相棒となる
シャンパンカラーは
ニュージーランドTで3着。スタート後、他馬に寄られて位置取りを悪くするなど、スムーズさを欠きながらも優先出走権を獲得した。「自分の形ではなかったけど、あのようなレースができたことは次につながる」と前走の敗戦を前向きに捉える。長所については、「心臓の強さですね。バネがあって柔らかみがあります」と素質の高さを買っている。
混戦ムードの今回、チャンスが広がっている。「楽しみですよ」。笑顔で前を向く52歳のベテランが、思い出のレースで奮起する。
提供:デイリースポーツ