「
ヴィクトリアマイル・G1」(14日、東京)
春の古馬牝馬頂上決戦で
サウンドビバーチェが一発を狙っている。3歳時には激しい気性が災いし、G1に挑戦した
オークス、
秋華賞でともに放馬のアク
シデント。望むような結果を残すことはできなかった。それでも、一つ年を重ねて精神面が成長すると、前走の阪神牝馬Sを完勝。改めて資質の高さを証明してみせた。強力4歳世代の一角を担う
ドゥラメンテ産駒が、新緑の府中で嵐を巻き起こす。
昨年の牝馬クラシックでのうっぷんを晴らす時が来た。
サウンドビバーチェはG1に初挑戦した
オークスで、ゲート裏の輪乗りの際に他馬に蹴られて放馬。競走除外となった苦い思い出がある。さらに
秋華賞でも馬場入場時に再び放馬するアク
シデント。ただこの時は出走が許され、勝ち馬から0秒4差の7着。前向きな姿勢は激しい気性と紙一重。それでも、かみ合いさえすれば、G1でも通用する素質は示している。
そんな能力の高さを改めて証明したのが、重賞初制覇となった前走の阪神牝馬Sだ。放馬のリスクを減らすため、馬場入りした後に騎手を乗せる対策で無事にゲートに入ると、レースでは横綱相撲を展開。2番手から直線力強く伸びて完勝した。高柳大師も「ゲートに入ってしまえば素直ですからね。流れも向きましたが、いい競馬をしてくれました」と手応えをにじませる。
大一番に向けた調教の動きにも、大物感があふれている。1週前に松山を背に栗東CWでマークした6F76秒9は、この日の最速。ラスト1Fも11秒3と鋭い伸びを披露した。トレーナーは「ジョッキーも時計を聞いてびっくりしていました。体感よりも早く動いているということですし、それは走る馬の特徴でもあると思います」と高く評価する。
デビュー時に456キロだった馬体重は前走で498キロに。「すごく体が大きくなって、精神的な成長も少しずつ感じます。マイルはベスト。ゲート入りまで気は抜けないですが、力はありますから」と期待の口ぶり。父は今春の
桜花賞(
リバティアイランド)、NHKマイルC(
シャンパンカラー)を制した
ドゥラメンテ。父譲りの爆発力を秘めた4歳牝馬が、一気に頂点まで駆け上がる。
提供:デイリースポーツ