春の最強マイル女王決定戦「第18回
ヴィクトリアマイル」の最終追いが10日、東西トレセンで行われた。美浦では2冠牝馬
スターズオンアースが、
クリストフ・ルメール(43)を背にWコースでキレキレの動き。休み明けを叩かれた上昇は明らかで、昨年
桜花賞以来のマイル戦制覇へ態勢が整った。
スターズオンアースの調教は1週前が杉原、最終追いにはルメールが騎乗した。レースには騎乗しないが、普段から同馬の調教に携わっているのが杉原。最終追いを終えたルメールが近くを通ると、思わず「どうでしたか!?」と声をかけた。「凄くいい!完璧」と
サムズアップで応えた名手。「びっくり!ありがとう」と感謝を伝えた。
Wコースでの最終リハ。5馬身ほど前に
ステラダイヤ(5歳2勝クラス)を置き、ゆったりとスタートする。リズミカル、そしてパワフルに四肢を躍動。抜群だった1週前と同様、これぞG1馬という身のこなしだ。内に入った直線。馬なりのまま瞬時に加速し半馬身先着した。「前走(
大阪杯2着)は休み明けだったし、1回使ってコンディションが上がっている。馬の状態は完璧。走り方が凄かったです」。鞍上は愛馬の上昇ぶりに目を丸くした。
ルメールが「一番大きな質問(ポイント)」としたのが道中のポジショニング。近2戦の
秋華賞(3着)、
大阪杯(2着)はともに後方から差し損ねた。「マイルだと(序盤から)もっとスピードを出して行かないといけない。スタートも決めたい」とレースをイメージ。中間はゲート練習。高柳瑞師は「練習では問題なく出ています。広くて直線が長い東京は合うと思う」と期待を込める。
ヴィクトリアMは
桜花賞馬が3連覇中。ルメールは「マイルは久しぶりだけど
桜花賞を勝っている。能力があるので心配はないですね。体も大きくなって大人になった。凄くいい馬だから」と信頼する。自身の手綱でVへと導いた20年
アーモンドアイ、21年
グランアレグリアにも引けを取らない手応え。当レース3勝。マイル女王に必要な資質を知り尽くす男の自信は本物だ。
《牝馬2冠好相性》昨年の牝馬2冠を制した
スターズオンアース。
桜花賞&
オークスを制した馬は、ヴィクトリアMと好相性。過去に、10年
ブエナビスタ、11年
アパパネ、20年
アーモンドアイが優勝し、【3・1・0・2】の好成績を残している。芝の状態が良い開催序盤に行われ、全体的に息の入らないラップになる傾向が強いレース。
桜花賞で要求される切れ味に加え、
オークスで証明したスタミナが強い味方となる。
スポニチ